NTTドコモが今年1月26日から、携帯電話によるインターネット接続サービス「iモード」の一環として提供している新しいサービス。ネットワーク向けのプログラミング言語であるJavaをベースに開発したゲームや金融サービス向けなどのソフトを、携帯電話にダウンロードして利用できる。

 電子メールのメッセージを打ち込むなど、一心不乱に携帯電話を操作する“親指族”。今や珍しくない存在ですが、その繁殖スピードはますます高まりそうです。

 というのは、NTTドコモがこれまで以上に携帯電話を操作する時間を増やすような、新しいサービスを始めたからです。それは、今年1月26日にスタートした「i(アイ)アプリ」です。このサービスに対応した携帯電話(503iシリーズ)も続々と登場しています。

 簡単に説明すると、すでに契約者数が2000万人を突破したインターネット接続サービス「iモード」の一種で、プログラミング言語であるJavaで開発したゲームや金融サービス向けソフトをインターネット経由で携帯電話のメモリーにダウンロードして利用できます。

◆効果
逐時通信せずに最新情報を入手

 iアプリの特徴は、大きく分けて3つあります。

 その1つは、Javaで作成したソフトをiアプリ提供サイトから一度ダウンロードすれば、通常のiモードのようにいちいち通信しなくてもソフトを使えることです。しかも、例えば株価を表示するソフトを使い、一定時間ごとに情報を更新する設定にしておけば、最新の情報が自動的に手に入ります。

 第2の特徴は動画などを扱えるようになり、より多くの情報を見やすい形で携帯電話の小さな液晶画面に表示できることです。従来のiモードは、携帯電話用のHTML(ハイパー・テキスト・マークアップ・ランゲージ)で記述された文字中心のコンテンツ(情報の中身)しか扱えませんでした。

 そして第3の特徴は、セキュリティのレベルを高められることです。Javaのソフトでクレジットカード番号など機密性の高い情報を暗号化でき、データを送受信する際に漏えいするといった危険を防げます。

 iアプリに対応したサービスは、4月初旬時点で約60種類に達し、無料サービスと有料(月額100円から)のものがあります。

◆課題
Javaソフトの容量に制限が

 しかし、iアプリで利用できるJavaで開発するソフトは、容量が最大10キロバイトに制限されています。これは携帯電話のメモリー容量が少ないことに加え、ダウンロードする際に時間がかからないようにするためです。そのために、複雑な機能を持ったソフトは利用できません。

 今年5月からNTTドコモは次世代携帯電話サービス「FOMA」を開始します。そうなれば通信スピードが飛躍的に速まるため、使い勝手は大幅に高まりそうです。ただし、この新サービスが全国で使えるようになるまでは、数年かかるでしょう。

神保 重紀 sjin@nikkeibp.co.jp