インターネットに接続されたコンピュータや利用者を識別するための名前。階層構造をとる。例えば、日経BP社のドメイン名は「nikkeibp.co.jp」である。「.(ピリオド)」で分離されたそれぞれがドメインであり、「jp=日本の」「co=企業の」「nikkeibp=日経BP社」といった意味を示す。全世界で一元的に管理されている。

 インターネットで利用している通信手順(通信プロトコル)であるIP(インターネットプロトコル)では、コンピュータのそれぞれにアドレスが割り振られます。このアドレスは「IPアドレス」と呼ばれます。

 IPアドレスは、広大なネットワークのなかでコンピュータの住所の役割を果たすものです。あるコンピュータが別のコンピュータと通信する場合は、コンピュータの内部ではこのアドレスで相手の位置を特定します。

 実際のIPアドレスは、32ビット(32ケタの2進数)で表します。ただし、通常は人間が読みやすいように8ビットずつを10進数に変換した数字(0~255)を4つ並べて表記します。具体的には、日経BP社のホームページが置かれているサーバーのIPアドレスは「210.145.117.79」です。

◆効果
人間に理解しやすくしたのがドメイン名

 ホームページを参照する際にも、IPアドレスを利用しています。これを実感するために、インターネットに接続したパソコンをお持ちの方は次のような操作を行ってください。ブラウザを起動して、ホームページのアドレスを指定する欄に「http://210.145.117.79/」と入力してください。これで日経BP社のホームページが表示されるはずです。

 日経BP社のホームページのアドレスはドメイン名を使って表すと「http://www.nikkeibp.co.jp/」となります。IPアドレスを覚えられなくても、ドメイン名であれば企業名から類推することも可能でしょう。ドメイン名の役割は、IPアドレスを人間にも分かりやすく表記することなのです。

◆課題
ドメイン名の取得は早い者勝ち

 ドメイン名の登録は、それぞれの国・地域に設置されたNIC(ネットワーク・インフォメーション・センター)と呼ぶ組織が一括管理しています。原則として、早く申請した企業や団体が過去に登録されていないドメイン名を自由に取得できます。企業名とドメイン名の関連には、制約がありません。このため、有名企業が類推されるドメイン名を取得して、転売を狙ったり、消費者を混同させて商品を販売しようというケースもありました。

 こうした問題を防ぐため、日本のNICである日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は2000年8月に、紛争処理機関として工業所有権仲裁センターを認定。ドメイン名が不当な目的で登録されているという申し立てを受けて、仲裁を行います。ただし、法的な拘束力はありません。

 さらにJPNICは2001年2月から、ドメイン名のルールを変更した「汎用JPドメイン名」の受け付けを開始。ドメイン名の最後にある「.jp」以外の部分を自由に付けられるもので、例えば「nikkeibp.jp」や「日経ビーピー.jp」といったドメイン名が取得できるようになります。

吉川 和宏 kyoshika@nikkeibp.co.jp