航空券や宿泊の予約サイトが相次いで機能を強化し始めた。利便性を高めたり、新規需要を開拓して取扱高を増やすのが狙いである。

 日本旅行(本社東京)は7月下旬から、航空券や宿泊施設の予約などを手配できる企業向けサイト「出張なび」の機能を強化する。全日本空輸の企業向け予約サイト「ANA@desk」と接続。顧客が直接、空席照会や航空券の予約、チケットレス・サービスを申し込めるようにする。今年度の出張なびでの取扱高を、前年度に比べて2倍強の約90億円に増やす計画だ。

 従来は、日本旅行の支店が、顧客の要望に応じて航空会社から航空券を手配し、顧客に配送していた。

 宿泊予約サイト最大手「旅の窓口」を運営するマイトリップ・ネット(同)も7月から、観光情報を掲載したウェブ・サイトを刷新した。写真や地図をふんだんに使って、日本各地の観光スポットでの楽しみ方を雑誌のような形で紹介する。北海道でのアウトドアライフや沖縄のビーチ情報などを掲載。顧客が旅行プランを立てやすいようにして、宿泊施設の利用を促す。

 旅の窓口の顧客のうち、約7割は出張をはじめとするビジネス用途で利用している。今回の刷新で観光需要を掘り起こすのが狙い。2006年3月期までに、観光利用の割合を約6割まで高める。同時に、昨年度は約700万件あった宿泊予約件数を年間約1900万件に引き上げる。

相馬 隆宏 souma@nikkeibp.co.jp