紳士服専門店最大手の青山商事は11月、顧客が携帯電話を会員証の代わりに利用できるサービスを開始した。対象は、同社が全国に15店舗を展開する「ザ・スーツカンパニー」の会員。若者向けの「ザ・スーツカンパニー」は、商品購入時にポイントを加算する会員証を発行していたが、会員の半数が来店時に会員カードを忘れていたという。

 携帯電話を会員証として活用することで、常に持ち歩いてもらえるようになる。ポイントの蓄積も進み、来店促進につながるとみている。現在の会員の切り替え分も含めて、今年度中に25万人分の会員証の発行を見込む。

 新サービスでは、携帯電話に二次元バーコードを読み込む仕組みを採用した。バーコードには、会員番号や蓄積ポイント、過去に買った服のサイズなどの情報が含まれる。

 実際の利用時には、あらかじめ携帯電話に専用ソフトをダウンロードし、店頭で携帯電話の画面上に二次元バーコードを表示する。 それを店頭のレジに備え付けたバーコード読み取り機で認証する。翌日以降に専用ソフトを起動するとインターネットにつながり、バーコードの情報を自動更新する。

 従来の会員カードは、カード型のCD-ROMを使用していた。パソコンにそのCD-ROMを差し込むと、インターネット経由で蓄積ポイントの確認などができたが、この操作が面倒で、店頭にカードを持参しない顧客が多かった。

西 雄大tnishi@nikkeibp.co.jp