大日本印刷は11月から、ペットボトル材料の物流に非接触型ICタグを利用する管理手法を試験導入した。目的は2つある。まず、生産や搬送工程の情報を容易に取得できる体制を作って、生産管理や物流管理にどう役立つかの研究を進める。さらに、包装材へのバーコード印刷需要がICタグに置き換わる時代が来ると考え、今のうちにノウハウを確立したい意図もある。
今回の実験で、寒冷時や高温多湿といった様々な環境下で、ICタグの実用性を検証する。実験期間は、1年を予定している。同社はペットボトルの成形前の試験管状の素材であるプリフォームを千葉・柏工場で生産しており、この輸送用の箱にICタグを取り付ける。搬送経路にアンテナを置くことで、箱の現在位置をリアルタイムで確認できるようになる。
この情報を活用して、どのロットのプリフォームがどの生産ラインで製造され、どこへ出荷されたかといった情報をサーバーに蓄積する。営業担当者が担当顧客への出荷量を随時把握できるほか、出荷先の飲料メーカーでペットボトルの品質問題が発生したときに、同じラインで製造されたプリフォームを迅速に特定できるようになる。
ICタグとひも付ける商品管理コードには、米大手小売業者も参画するなど業界標準化が有力な米マサチューセッツ工科大学オートIDセンターの「ePC(電子プロダクトコード)」を適用する。