日本生命保険はこの8月、保険契約者への対応を強化した。契約後のフォローをきめ細かくし、解約を防ぐのが狙いだ。

 生保業界は顧客の奪い合いが激しい。日本生命の昨年度の解約高(解約した保障金額の合計)は24兆8000億円、新契約高(新規契約した保障金額の合計)は23兆2700億円で解約率は7.8%だった。新体制によって来年度には解約率を1~2ポイント下げる。

 従来、営業担当者が顧客宅を訪問するのは平日の昼間が多く、3割程度しか実際に会えなかった。そこで、平日の夜や週末も含めて電話で顧客との接触を試みる「アウトバウンドコールセンター」を新設した。今年10月までに100席を用意。新規契約時と営業担当者が変わった首都圏の顧客約190万人を対象にする。電話がうまくつながった場合、住所や名義の変更がないかを尋ねたり、新商品を案内する。必要であれば、営業担当者が直接訪問して顧客の相談に応じる約束をする。

 夜間や週末でも訪問できるように、「カスタマースタッフ」と呼ぶ訪問担当者約200人も用意。柔軟に対応できるように在宅勤務型とした。カスタマースタッフ全員にiモード対応の携帯電話を配布。各スタッフがiモードから1週間分のスケジュールを登録しておくと、顧客への訪問日程が決まった時点で携帯電話にメールで通知する。

相馬 隆宏souma@nikkeibp.co.jp