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日経情報ストラテジー

故障情報をテキスト・マイニング データ分析効率が3倍に

キヤノン

2000/12/12
出典:2001年1月号  209
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

狙い:故障などの文書情報を迅速に分析し、素早く対策を打てるようにする
コスト:サーバーとソフトウエアなどに約1億円
IT:テキスト・マイニングにジャストシステムのCB Classifierなどを採用

 キヤノンは2001年1月から、国内外にある60カ所の販社から集まる年間約60万件に達するプリンターなどの故障や返品に関する文書データを、効率良く分析できるようにする。

 大量の文書を自動的に分類するテキスト・マイニングシステムにより、わずかな故障を見逃さず迅速な顧客対応や商品改良につなげ、品質管理を高めるのが狙い。投資額は1億円。

 キヤノンは全社を挙げて品質やサービスの向上に力を入れている。そこで、2001年12月をメドに全製品について年間100万件の故障データと、年間300万件に達する苦情データを集めたポータル(玄関)サイトを構築する予定。各国から毎月集まるこうしたデータをデータ・ウエアハウスで一元管理し、経営層から各担当者までが、故障の推移やクレームの詳細などを必要な切り口で見られるようにする。

 今回のシステムはこのポータル・サイト構築の一環だ。手始めに、従来は担当者が手作業中心で処理していたデータの分類を、テキスト・マイニングソフトによって自動的に処理。「データの分類に費やす時間が3分の1になる」(沢村修・品質本部品質企画センター副所長)という。

図●キヤノンのテキスト・マイニングによる故障データ処理の流れ(プリンターの場合)[図をクリックすると拡大表示]

自動分類できない情報だけを人が分析

 新システムは、テキスト・マイニングの精度を上げる工夫を凝らした。テキスト・マイニングは、事前に登録した「紙づまり」などのキーワードを基に文書を分類する。その際、登録していない単語を含む文書は処理できず、未分類のまま残る。

 こうしたデータには内容があいまいなものに加えて、これまでになかった新しい種類の故障に関する文書データが含まれる。そのために品質向上に役立つものだけ抽出する方法を考えた。

 「印刷がおかしい」といった、未分類になりやすい100の表現を新たにキーワードとして登録。すると当初は全データの60%しか自動分類できなかったが、85%に上がった。これにより担当者は残りの15%のデータを丹念に調べて、全く新しい故障が含まれるものを「管理者の注意喚起」データとして抽出すれば良くなった。「世界中で数件しかない故障も対応を誤れば、大きなクレームが発生する。自動分類を活用し、新しい問題を深く分析できれば、具体的な改良や迅速な顧客対応に生かせる」(沢村副所長)。

コールセンターのクレームも自動分類

 文書の自動分類ソフトとして、ジャストシステムのCB Classifierを採用した。海外から集まるデータはあらかじめ翻訳ソフトで日本語に変換する。

 まず、米国と欧州など、海外のデータから処理し、順次、国内のデータを加える。

 並行してコールセンターで集めた苦情データも、テキスト・マイニングを使って処理する考え。

三田 真美 mmita@nikkeibp.co.jp

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