イー・アクセスとソフトバンク・グループのIPレボルーションが,光ファイバを使う高速アクセス・サービスを計画していることが明らかになった。企業や家庭に光ファイバを引き込むFTTH(fiber to the home)サービスである。自社で光ファイバを敷設したり,他社から光ファイバそのものを借り受ける「ダーク・ファイバ」を利用して高速アクセス回線サービスを提供する。両社は9月27日,郵政省から第一種電気通信事業の許可を得た。

 イー・アクセスは,NTT東西地域会社の銅線を使ってxDSL(digital subcriber line)サービスを提供する通信事業者。既にニフティやNECが,同社のADSL回線を活用してインターネット接続サービスを提供している。一方,今回明らかになった光ファイバ・サービスは,企業向けの専用線メニューとして提供する計画。2001年4月をめどに東京都大手町の一部でサービスを開始する。また,xDSL回線の中継用に光ファイバ網を構築する見通しである。

 IPレボルーションは,この4月にソフトバンク ネットワークスが設立した通信事業者。元スピードネット社長の真藤豊氏が社長を務める。企業ビルやユーザー宅に光ファイバを引き込んで,xDSLサービスよりも高速なアクセス・サービスを提供するという。提供エリアは東京都港区,新宿区,中野区,渋谷区の一部で,2001年5月に開始する。

 2社のほかにも,既にFTTHサービスの提供計画を明らかにしている通信事業者がいる。NTT東西地域会社は12月にも,東京都23区と大阪市の一部でFTTH試験サービスを開始する。2001年4月には有線ブロードネットワークス子会社のユーズコミュニケーションズが東京都23区の一部でFTTHサービスを提供する予定。一部地域に限定されるものの,2001年にはFTTHサービスの提供が本格化しそうだ。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)