電源供給機器などを開発する米パワーデザイン(PowerDsine)は,米国ジョージア州アトランタで開催中の「NetWorld+Interop 2000」にて,最大24台のLAN直結型電話機(IP電話機)に電源を供給できる専用装置「PowerDsine 4024」を発表した。会場ブース内のデモンストレーションでは,米3ComのIP電話機や無線LANアクセス・ポイント,米エリクソンのIP電話機などを接続していた。

 イーサネットのより対線で機器に電源を供給する製品は,すでに米シスコ・システムズや沖電気工業が出荷している。ただしシスコや沖電気の場合は,LANスイッチに電源供給の仕組みを組み込んだもの。このため,イーサネット・ケーブルで電源の供給を受けられる機器を導入する場合は,LANスイッチも併せて既存のものと入れ換えなければならなかった。

 パワーデザインの製品は,電源供給の仕組みだけを提供する点がポイント。PowerDsine 4024を使えば,既存のLANスイッチをそのまま利用できる。IP電話機をPoweDsine 4024の上段のポートに接続し,次いで下段のポートをLANスイッチに接続する。

 PowerDsine 4024は,電源供給仕様の違いで6モデルを用意する。電圧は48または24ボルト,電流方式は直流または交流を選択できる。いずれの電圧も電流は300ミリ・アンペアとなる。きょう体は19インチ・ラックに格納できる大きさとした。

 イーサネット・ケーブルを利用した電源供給の仕組みは,現在,IEEE802.3afとして標準化作業が進められている段階。パワーデザインは,標準化部会「IEEE802.3af DTE Power via Media Dependent interface」の設立メンバーである。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション,米アトランタ発)


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