米国ジョージア州アトランタで開催中の展示会「Networld+Interop 2000」の会場内には,世界中から集まった約60社のベンチャー企業がブースを構える「スタート・アップ」というエリアが設けられている。設立間もない企業がほとんどで,展示する製品も1製品だけというブースも多い。多くのベンチャーは,広帯域のアクセス回線,すなわち「ブロードバンド」にターゲットを絞っている。

 2000年3月に設立したばかりのベンチャー企業カナダのコルブリス・ネットワークは,同社初の製品となる無線アクセス・ルーター「CN1000」を展示していた(写真)。IEEE802.11b準拠の無線LANに対応したアクセス・ポイント機能やルーティング機能を持つ。ケーブル・モデムやxDSL(digital subscriber line)モデムにイーサネット・ポート経由でつなぎ,インターネット接続事業者に接続する。ほかに,ファイアウォール機能,VPN(virtual private network)機能も持つ。


 無線LAN部分は,PCカード型の無線LANカードを本体背面のスロットに差し込んで利用する仕組みだ。価格は,無線LANカード込みで1500米ドル。家庭やSOHO(small office,home office)を主な対象ユーザーに狙う。同社のトニー・ロシター社長は,「今後は,VoIP(voice over IP)機能や暗号化機能などを追加し,企業向けにも提供販売していきたい」と言う。

 帯域制御装置を開発する米ブロードIPネットワークスは,こちらも同社初の製品となる「PacketCop」を展示した。送信元やあて先IPアドレス,プロトコル,アプリケーション,あるいはこれらの組み合わせに応じた6通りの設定方法で帯域を制御できる。PacketCopの特徴は,音楽や動画などのデータを,伝送装置側で圧縮して帯域を確保する点。多くの帯域を消費するストリーム型のデータの影響で,他のデータ伝送に支障が出るのを防ぐのが狙いである。通信事業者,インターネット関連サービス事業者,企業向けに提供する。価格は7500米ドル。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション,米アトランタ発)


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