関東圏を営業エリアとする地域通信事業者の東京通信ネットワーク(TTNet)が,一般家庭にまで光ファイバを引き込むFTTH(fiber to the home)サービスの提供を検討していることが明らかになった。速度品目は10Mビット/秒以下の範囲で検討中。

 最大10Mビット/秒の回線と,インターネットや課金システムなどのプラットフォーム,大容量のコンテンツとひとまとめにして,別会社が提供するという事業モデルを模索している。「1ユーザーから合計で月額2万~3万円を支払ってもらえる内容にすれば,事業は成り立つのではないか」(TTNet幹部)と見る。

 サービス開始時期は,「NTT東西地域会社が大々的にFTTHサービスを展開する前」(TTNet幹部)としている。NTT地域会社は2000年12月から,東京と大阪の一部地域で最大10Mビット/秒のFTTHサービスを試験的に始める計画。本格サービスへの移行は1年後の2001年12月の予定である。このためTTNetがFTTH事業に乗り出すとすれば,2001年12月以前ということになる。TTNet幹部は「需要の高い一部地域からサービスを始め,順次エリアを拡大していく」としている。

 NTT地域会社はインターネットへのアクセス回線として,4000~3万円台の範囲で複数のFTTHサービスを提供する準備を進めている。TTNetのFTTHサービスは,そのうち主に小規模な事業所や個人宅に設置したオフィスなど,SOHO(small office/home office)の利用を想定した1万円台前半のサービスと競合する格好になりそうだ。

(吉野 次郎=日経コミュニケーション)