大島 耕二氏 ネットマークス ネットワークセキュリティ事業部 セキュリティ技術室長
鈴木 利秋氏 ネットマークス エンタープライズソリューション事業部 コンサルティング&プロジェクト マネージメントグループマネージャー

アプリの異常終了が続発
応答待ち時間の延長で改善

既存のアプリケーションをそのままインターネットVPNに移行すると,トラブルが発生することがある。インターネットVPNは,通信品質を保証できないからだ。トラブルの直接的な原因は分からないことが多く,ネットワーク側での対策には限界がある。アプリケーション側のパラメータの変更や,プログラムの修正で対処するしかない。

 10店舗の文房具店を展開するB社は,社内網をフレーム・リレー(FR)からインターネットVPNに変更した。各店舗にはADSL回線を導入,本社にはFTTH回線を採用した。まず,試験運用を開始した。

 すると,複数の拠点の社員から,顧客情報管理システムと販売管理システムが異常終了するという報告を受けた。

 B社にとって顧客管理と販売管理システムは,業務に欠かせないアプリケーションである。高品質の通信環境が前提だったため,異常終了の頻発は想定していない。異常終了した場合には,社員が最初の操作まで戻ってやり直す仕組みだった。

 面倒な処理を繰り返すことになるため,このままでは拠点の社員から多くのクレームが出るのは必至。B社のネットワーク担当者は,一刻も早い改善に迫られた。