茂手木 昌洋 富士通 システムサポート本部ネットワークサポート統括部ネットワークシステムサポート部

ギガ・イーサの接続に失敗 ファイバと機器の直結で不安定に

ギガビット・イーサネットのうち1000BASE-LXとSXでは光ファイバ・ケーブルを利用する。光ファイバにはコア直径が異なる3種類があり,接続距離やイーサネット方式に応じて選ぶ。1000BASE-LXの場合はパッチ・コードを併用しないと,通信が不安定になることがある。

 B社は,1000BASE-LX対応のレイヤー3スイッチを導入して,同一ビル内にある主要部署間でギガビット・イーサネットを実現しようとした。1000BASE-LXでは,マルチモード・ファイバ(MMF)という種類の光ファイバ・ケーブルが必要になる。

光ファイバは品質測定が欠かせない

 早速,B社はMMFを用意し,レイヤー3スイッチに接続してみた。ところが,新品のMMFを使ったにもかかわらず頻繁につながったり切れたりを繰り返す不安定な通信状態となった。

 光ファイバには,より対線ケーブルよりも長距離で使用できるという特徴がある。ただ,基本的にはエンド・ツー・エンドで光信号が一定の強さを維持して伝達できることが前提となる。

 ビル間の接続や屋外経由での接続時は,設置業者が介在する。その場合,業者が光ファイバの品質をエンド・ツー・エンドで測定することが多い。

 一方,短距離で接続する時は,自ら光ファイバを購入して接続する。この場合も品質測定は欠かせない。短距離接続の際は,光損失が少な過ぎるため,光減衰器(アッテネータ)などによる対処が必要なこともあるからだ。「LANスイッチが認識しない」,「頻繁につながったり切れたりを繰り返す」――などの現象が発生しかねない。

 そこでB社は,MMFの品質を自ら測定してみたが,品質には問題は見つからなかった。