図●ファミマ・ドット・コムが構築したインターネット通販システム
システムはCRC総合研究所のデータセンターに設置してある。このほか,外部とのゲートウエイ・サーバーや会計システム用サーバーなどがある
 ファミリーマートが伊藤忠商事など6社と共同で設立した電子商取引(EC)事業運営会社ファミマ・ドット・コム(東京都豊島区)が,システムの第2次開発に着手した。2000年10月30日に稼働を始めた第1次システムが安定稼働を続けているため,システムの拡張に取りかかることにした([拡大表示])。2001年2月から提供を開始する予定のiモード携帯電話を使った通販サービス用システムを皮切りに,順次新システムをカットオーバーしていく。

 第2次システムの開発は,これまでと同じNTTデータが担当する。ファミマ・ドット・コムは,NTTデータが第1次システムを非常に短期間で開発した実績を評価した。

 NTTデータは,ファミマ・ドット・コムの第1次システムを2000年7月から10月までのわずか4カ月で開発した。NTTデータは,自社が運営するショッピング・モール「まちこ」のECシステムを開発した担当者を中心に,ファミマ・ドット・コム向けのプロジェクト・チームを結成。稼働直前のピーク時には,100人強の要員を投入して,10月末の稼働を死守した。

 ファミマ・ドット・コムは以前から,「実績があるパッケージ・ソフトやミドルウエアを採用することで,システム開発期間を短縮する」(ファミマ・ドット・コムの北野隆オペレーション部システムグループリーダー)方針を採っている。例えば,ファミマ・ドット・コムの第1次システムの中核部分である受発注用の通販システムには,通販会社ムトウの関連会社であるミック(静岡県浜松市)が販売するパッケージ・ソフト「通販シェルパクラブ」を採用した。通販シェルパクラブは,通販システムの構築用として,広く利用されている。NTTデータ側のメンバーも,他社のシステム構築に利用した経験があった。

 Webアプリケーションの開発に,iPlanet E-コマース・ソリューションズ ジャパン(東京都世田谷区)のWebアプリケーション・サーバー・ソフト「iPlanet Netscape Application Server」を利用したのも,ECシステムでの実績を重視したため。Web画面は,ファミマ・ドット・コムの社員と大日本印刷のスタッフが共同でデザインした。

 ファミマ・ドット・コムは,Webサーバーなどに,サン・マイクロシステムズの小型UNIXサーバー「Sun Enterprise 450」を採用した。データベース・サーバーには,サンのミッドレンジ機「Sun Enterprise 4500」を使う。受発注用の通販システムだけは例外で,Windows NTサーバーを利用している。通販パッケージの通販シェルパクラブが,Windows NT上でしか動作しなかったからだ。サーバー機はすべて,CRC総合研究所のデータセンターに設置してある。

(川又 英紀)