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.NETに乗り遅れるな---要員育成とフレームワーク作りを急ぐインテグレータ(上)
.NET Frameworkとは、マイクロソフトが策定したWebアプリケーションの開発・実行環境のことだ。「Visual Basic .NET」や「Visual C++ .NET」といったさまざまな言語で開発したプログラムを動かす実行環境と、各種のソフト部品を集めたクラス・ライブラリからなる。マイクロソフト日本法人は今年3月、開発ツール群「Visual Studio .NET」の出荷に合わせて、.NET Frameworkの提供を開始した。 開発環境が大きく変わる.NET Frameworkの登場によって、Windowsアプリケーションの開発スタイルはガラリと変わる。このことがインテグレータ各社の背中を押している。 例えば、これまで利用するプログラミング言語によってそれぞれ違っていたライブラリが .NET Framework付属のものに一本化された。また、Webページの動的作成には「ASP(Active Server Pages)」ではなく、「ASP.NET」を使うようになった。Webサービスを簡単に作成できるようになるなど、新しく追加された機能も多い。 Windows開発者は今後、これらの変更点や強化点を理解してシステム開発にあたらなくてはならない。「.NET Frameworkを有効活用してシステムを設計・開発するには、新技術の習得が不可欠」(日本ヒューレット・パッカード=日本HP=で .NET向けビジネスの環境整備を担当する味方(あじかた)勤氏)との指摘は多い。 インテグレータ各社は2004年から2005年にかけて .NET Frameworkによるシステム構築が本格化するとみている。「今から .NET Frameworkに精通した要員の育成に着手しなければ、準備が間に合わない」(日本HPの内田恵Windowsエンタープライズソリューションセンタ部長)と、各インテグレータの担当者はあせる。 マイクロソフトは来年春にも国内出荷が始まる次期サーバーOS「Windows .NET Server 2003」に標準搭載するなど、.NET FrameworkをWindows標準のアプリケーション開発・実行環境と位置付けている。インテグレータ各社も今後は「Windowsプラットフォーム上のシステム構築案件は基本的に .NET Frameworkを使った開発をお客様に提案していく」(電通国際情報サービス=ISID=の金融システム事業部で統括マネージャーを務める井口治氏)方針を採らざるを得ない。現在、.NET FrameworkはWindows2000とは別に提供されており、ユーザーが別途組み込む必要がある。 Windows NT4.0の有償サポートの延長期限が2003年12月に迫っていることも、各インテグレータが .NET Frameworkの開発体制にシフトしていく要因になっている。
1年足らずで500人を育成.NET Frameworkに精通したエンジニアの育成に取り組むインテグレータの中でも、日本ユニシスは積極的だ。同社は来年9月までに、.NET Frameworkを使ったシステム開発の上流工程を担当するエンジニア500人を育成する計画だ。これは日本ユニシスのWindows技術者のほぼ半数にあたる。 500人の内訳は(1)システム基盤の設計を担当する「アーキテクト」、(2)顧客企業の業務内容を分析してアプリケーションを設計する「アプリケーション・スペシャリスト」、(3)マイクロソフト製の .NET対応ミドルウエアに精通している「プロダクト・スペシャリスト」の3職種が各50人、(4)SEにあたる「テクニカル・エンジニア」が350人である。日本ユニシスは「今後1年でJavaによるシステム・インテグレーション事業とほぼ同じ500億円の売り上げを目指す」(白井プログラムマネージャー)と明かす。 他のインテグレータも .NET Frameworkに精通したエンジニアの育成を急ぐ。富士通は来年6月までに300人、日本HPは来年9月までに200人を育成する予定だ。日立ソフトウェアエンジニアリングはプログラマを中心に1200人程度の .NETエンジニアを来年秋までに育成する計画を立てている。日立製作所は「2004年春までにWindowsを使ったシステム構築やソフト開発を担当するエンジニアのうち、少なくとも半数が .NET Frameworkベースの開発を経験する」(Windowsソリューションセンタの後藤稔センタ長)とみる。 (西村 崇)
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