3月26日午前8時,東京電力など大手電力3社が中心になって設立した電力資材調達用の大型マーケットプレイス(電子市場)が動き出した。5年後に参加企業1万社,年間取引額3300億円と日本最大規模を目指す――。システム開発作業を一手に引き受けた日本ユニシスは,初めて扱った米コマースワンのパッケージ・ソフトと格闘しながらも,エース級のSEを動員し,わずか5カ月で稼働にこぎ着けた。

会社名 ジャパン・イーマーケット
設立日時 2000年12月14日
サービス開始日時 2001年3月26日
出資会社 東京電力,関西電力,中部電力,三菱商事,三井物産など16社(北海道電力を除く国内電力9社が出資)
従業員数 28人
提供サービス 電力資材マーケットプレイスの運営
参加企業数 2001年度中に,買い手企業30社,売り手企業1000社を予定
システム開発会社 日本ユニシス
URL http://www.j-emarket.com/
表1●ジャパン・イーマーケットの概要
東京電力,関西電力,中部電力の大手電力3社が中心になって設立した

 初年度の参加予定企業数は1000社,取引額は600億円,取り扱い商品数は約20万種類。5年後には参加企業数1万社,取引額3300億円を目指す-。日本最大級のマーケットプレイスが,3月26日についに動き出した。東京電力,関西電力,中部電力の大手電力3社が中心になって開設した電力資材調達用のマーケットプレイスだ。この電子市場を運営するのは,ジャパン・イーマーケット(東京都港区)である(表1)。

 電力資材マーケットプレイスで取引される商品は,発電や配電設備の保守部品をはじめ,一般資材や事務用品まで幅広い。ジャパン・イーマーケットはインターネットのWebサイト上に,こうした資材の取引の「場」を用意し,資材の「オークション」と「カタログ購買(個別商談)」,複数メーカーの商品をカタログ上で比較して購入できる「カタログ比較購買(オープン調達)」などのサービスを提供する。

 マーケットプレイスに参加する電力会社の狙いは何といっても,調達コストの削減である。電力取引の自由化など,競争が激しくなってきた電力業界において,調達コストの削減は急務である。ジャパン・イーマーケットの松阪晴伸社長は,「マーケットプレイスの利用で,調達にかかる手間や時間,人件費を半分以下に減らせると見込んでいる。さらにマーケットプレイスがトリガーとなって,電力会社間で部品の標準化や汎用化が進めば,部品単価は現在より10~30%下がるだろう」と見ている。松阪社長は,東京電力で20年以上資材調達に携わってきた経歴を持つ。

(川又 英紀)