Java搭載iモード携帯電話の登場を受けて,ソフト・ベンダーなどが業務利用を想定したJavaアプリケーションの開発に取り組み始めた。Java搭載iモードとJavaアプリケーションを組み合わせると,従来からあるiモード対応のグループウエアや業務パッケージなどを,より使いやすくしたり通信の安全性を高めることができる。ただし,現状では利用可能なJavaアプリケーションのサイズが10KBに限られるなど,開発上の制約が多い。

 NTTドコモが1月に出荷を始めたiモード携帯電話「503i」シリーズ(写真1)は,Javaの実行環境を搭載した国内初の携帯電話として注目を集めた。Java搭載の携帯電話は今後,ドコモ以外のベンダーも製品化を計画しており,「2001年第4四半期には,国内向けに生産される約1600万台の携帯電話の4割以上をJava搭載製品が占める」(日経マーケット・アクセスが2月2日に発表した調査結果)という見方もある。

 こうした動きを見越して,主にiモード関連のビジネスを手がけるソフト・ベンダーやシステム・インテグレータなどが,企業ユーザーの業務利用を想定したiモード向けJavaアプリケーションの開発に取り組み始めた。多くは試作段階にとどまっているものの,各社はJava搭載iモード携帯電話のメリットを生かして,モバイル・システムの使い勝手の改善や信頼性の向上を図ろうとしている。

(坂口 裕一)

写真1●Javaの実行環境を搭載したiモード携帯電話「F503i」(左)と「P503i」(右)
いずれも価格は約3万円。P503iはアプリケーションの不具合のため,2月16日現在,販売が中止されている