インターネットの次世代プロトコル「IPv6(IPバージョン6)」のビジネス利用が,いよいよ本格化してきた。インターネット常時接続の広がりや,パソコン以外の接続端末の増加によって,IPアドレスの“枯渇”が現実味を帯びてきたことが背景にある。2000年9月以降,インターネットイニシアティブなどの大手プロバイダがIPv6対応の接続サービスを開始。大手メーカーも次々にIPv6対応ネットワーク機器を投入し始めた。
「IPv6の利用が広がれば,あらゆる人や街が有機的にネットワークにつながる。このような世界を実現することにかけては,日本企業が一番だ。IPv6への取り組みで先行すれば,インターネットで独り勝ちしている米国を追い抜くこともできる」。
2000年12月18~19日に大阪国際会議場で開催されたイベント「Global IPv6 Summit in Japan」で,ソニーの出井伸之会長兼CEO(最高経営責任者)は次世代プロトコル「IPv6」の可能性について語った。
こうした状況を見据えて,インターネットイニシアティブ(IIJ)やNTTコミュニケーションズ(NTTコム,東京都千代田区),日本テレコムといった国内大手ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)が続々とIPv6への対応を進めている(表1)。IPv6の将来性に注目し,バックボーン・ネットワークの再構築へも積極的に投資し始めた。NEC,富士通,日立製作所やシスコシステムズといった大手メーカーは,ネットワーク機器のIPv6対応に乗り出した。このほか,マイクロソフトは2001年後半に出荷する次期OS「Whistler(開発コード名)」でIPv6に対応する計画を表明している。
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表1●IPv6に対応した主なコンピュータ・メーカーやISPの動き ISP:インターネット・サービス・プロバイダ |