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図2●iモード携帯電話を狙った悪質ないたずらの例 (左[拡大表示])特定のWebページにアクセスすると,「あなたの携帯電話はウイルスに犯されました!」という偽りの情報を表示して,フリーズ状態になる。(右[拡大表示])Webページに表示された爆弾マークを選択すると,利用者が知らないうちに110番に電話がかかってしまう |
悪質ないたずらを仕掛けたメールやWeb サイト,コンピュータ・ウイルスなどが,攻撃の矛先をモバイル機器に向け始めた。国内では,i モード携帯電話の利用を妨げるメールやWeb サイトが登場。米国では,携帯情報端末(PDA )を狙ったウイルスが続々と見つかっている。NTT ドコモなどは自社のWeb サイトを使って,利用者に警告。ウイルス対策ソフト会社は,PDA 専用製品を投入するなど,モバイル向けの対策に本腰を入れ始めた。

NTTドコモによれば,「特定の番号に自動的に電話をかけるいたずらは以前からあったが,今回のように悪質ではなかった。8月末には警察庁から,何らかの対策を講じるように要請があったので,利用者への呼びかけを徹底することにした」(広報部)。
一方,米国では8~9月にかけて,米パームの「Palm OS」や英サイオンの「EPOC」といったモバイルOSを搭載した携帯情報端末(PDA)が,相次いでウイルスの標的になった。特にPalm OS搭載機を狙ったウイルスは,すでに3種類も見つかっている。
ウイルス対策ベンダーによれば,これらのPDA向けウイルスは,インターネット経由でPDAに直接侵入することもあるが,接続装置の「クレードル」を介してパソコンから侵入するケースが多い,という。まだ国内では被害が報告されていないが,「米国での事件を参考にして,日本でもPDAを狙ったウイルスが続々と現れる可能性が高い」(トレンドマイクロでウイルス解析を担当する岡本勝之氏)と警戒を強めている。 (西村 崇)
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表1●相次いで発見された,iモード携帯電話を狙う悪質ないたずらや,携帯情報端末(PDA)向けのウイルス |