電子メール・システムのアウトソーシングを専門に請け負うベンチャー,クリティカルパス パシフィック(CPP,東京都港区)は10月半ばにも,東京都内にデータセンターを開設する。開設と同時に,第1号の顧客としてポータル・サイト大手のフレッシュアイがCPPのサービスを利用する。フレッシュアイはCPPのセンターにあるシステムを利用して,同社のサイトを利用する顧客に電子メール・サービスを提供する。こうした事業は日本ではまだ珍しい。

 CPPによれば,ほかにも大手コミュニティ・サイト運営業者など,数社がCPPのサービスを利用することを検討している。このため,国内にデータセンターを開設するもの。CPPはこれまで,米国にある本社のデータセンターを利用していた。

 CPPのサービスで利用可能な電子メール・システムは3種類。専用のクライアント・ソフトを使うPOP(ポスト・オフィス・プロトコル)メール,IMAP4(インターネット・メッセージ・アクセス・プロトコル)メール,Webブラウザを使うWebメールである。CPPのサービスを利用すると,専用ソフトやWebブラウザといった異なるクライアントから,同じ電子メールを利用することができる。CPPは年内にも,iモード携帯電話からも電子メールを利用できるようにする。

 CPPは,米クリティカルパス パシフィックと三井物産,NTTコミュニケーションズなどが今年5月に合弁で設立した。「インターネット関連事業者にとって,電子メール・システムの運用が重荷になりつつある。アウトソーシングには大きな需要がある」(八木健太ポータルリレーションズ ヴァイスプレジデント)。

(玉置 亮太)