今月の回答者

初級
高橋 秀和 : 日経バイトBest Way担当
中級
森川 浩道 : NECソフト ICTシステム事業部 Windows Solution Center

Q 初級:
ドライブの動作音を静かにしたい

DVD±RWドライブを購入しました。パソコンに取り溜めたビデオをDVDに書き込んでいるのですが,再生時の動作音が気になります。騒音を抑える方法はないのでしょうか?

A
画面●光学式ドライブの読み取り速度を変える「Nero DriveSpeed」
 騒音を抑えるには,ディスクの読み出し速度を下げるのが手っ取り早い方法です。最大12倍速でDVD-ROMを読み出せるドライブを2~4倍速程度に落とすのです。まずはドライブの読み出し速度を変えるツールがメーカーから提供されているかどうか確認しましょう。パイオニアの「アドバンスド静音ユーティリティ」やプレクスターの「PlexTools Professional」といったツールがこれに当たります。

 お持ちのドライブのメーカーが静音化ツールを用意していない場合は,汎用的に使える可能性のあるツール「Nero DVDSpeed」を試してみるのがいいでしょう(画面[拡大表示])。独Ahead Software社のDVD/CDライティング・ソフト「Nero 6」に含まれています。日本語対応の体験版がダウンロードできますので,お持ちのドライブで使えるかどうか調べてみましょう。

 有効な静音化ツールがない場合,自分がいる位置から遠ざけるというのも手です。USBやIEEE1394接続の外付け型ドライブを使っているのなら,原始的な方法ですが効果はあります。内蔵型の場合は,共振を防ぐゴムをドライブの取り付けネジと併用すると振動による騒音を抑えられることがあります。

(高橋)

Q 中級:
分かりにくいWindows Serverのライセンス

Windows Server 2003の導入を検討しています。利用の用途はファイル/プリンタ共有サーバーで,クライアント数は100程度です。将来はExchange Serverを導入する予定です。NT 4.0の頃とはライセンス体系が変わったようで,どの方式のライセンスを買うのが経済的なのか迷っています。ライセンス方式ごとのメリット/デメリットを判別する大まかな指針を教えて下さい。

A

図●Windows Serverの主なライセンス形態
「同時使用ユーザー数モード」と「接続デバイス数モード」(デバイスCAL),「接続ユーザー数モード」(ユーザーCAL)の大きく三つのパターンがある。
表●Windows Server CAL のモード種別と適用例
 マイクロソフトのサーバー製品のライセンスは,大きく分類してサーバー・ライセンスとクライアント・アクセス・ライセンス(以下CAL)の2種類で構成されています。サーバー・ライセンスはサーバー製品をサーバー機へインストールするのに必要となるライセンスです。インストール先となるサーバーの台数分だけライセンスを購入しなければならないので,購入すべきライセンスの数は明白です。

 分かりにくいのはサーバーにアクセスするクライアントに必要になるCALです。Windows NT/2000では「同時使用ユーザー数モード」と「接続クライアント数モード」に分かれていましたが,Windows Server 2003では後者が「接続デバイス数または接続ユーザー数モード」に変わりました。「接続デバイス数または接続ユーザー数モード」は,接続デバイス数モード(デバイスCAL),接続ユーザー数モード(ユーザーCAL)の2種類に分かれます。違いは,ライセンスの対象がサーバーを利用するデバイスか,サーバーを利用するユーザーか,という点にあります([拡大表示])。この3種類のCALのどれを選ぶかは,将来像を含めたシステムの利用形態に合わせて考慮することになります([拡大表示])。

デバイスCALとユーザーCAL

 まず同時使用ユーザー数モードでは,サーバーに同時に接続するユーザーまたはデバイスの最大数の分だけCALを購入すれば良いことになります。これは,サーバーへの接続頻度が比較的少ない利用形態に適しています。仮にユーザーが1000人いたとしても,同時にアクセスするユーザーが3人程度であればCALの数は三つで済みます。サーバー台数が少ない環境では必要なライセンス数を最小限に抑えられるため費用的メリットが大きくなります。ファイル・サーバーとプリンタ・サーバーとしての利用において経済的な選択であると言えます。

 ただし,同時使用ユーザー数モードでは利用するサーバーごとにCALを購入する必要があります。サーバー台数の多いシステムでは逆にコストが増加してしまう可能性がありますので注意が必要です。後からサーバーを追加する際に,CALを買い足す場面も出てくるでしょう。例えば将来Exchange Serverを導入する際にサーバー機を追加するようなことになった場合などは,ライセンスの見直しが必要になるかも知れません。

 一方,接続デバイス数または接続ユーザー数モードでは,サーバーを利用するデバイスまたはユーザーの数だけCALを購入します。こちらはサーバーごとにCALを購入する必要がないため,サーバー台数の多いシステムやサーバー台数の変更が多いシステムに適したライセンス・モードです。ただ接続デバイス数または接続ユーザー数モードでは,利用形態の違いによって経済的なCALの種類が異なります。

 どちらのライセンスを選択すべきかについては,実際の利用形態/規模を踏まえた検討が必要です。大まかには,ユーザー数に比べてクライアント機の数が少ない場合にはデバイスCALを,逆の場合にはユーザーCALを選択すると良いでしょう。例えばユーザーが自分専用のノートパソコンやPDAなど複数のデバイスを使い分けるようなシステム運用ならユーザーCALを選んだ方がコストを下げられます。

(森川)