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パソコンを守る(上)盗らせない,見させない,悪用させない
出典:2003年6月号
58ページ
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
だが,方法はこれだけではない。インターネットを経由したリモート操作で盗み出すのが難しければ,ローカルでパソコンを操作してしまえばよい。もっと簡単なのは,パソコンごと盗み,後でゆっくりと情報を抜き出すことだ。情報を盗むという点では,クラッキングよりも確実でうま味もあるだろう。 ノートパソコンは基本的に持ち運びできる。ということは,パソコンを盗む側にとっても持ち出しやすいということになる。パソコン盗難の60%がオフィスで発生しているという調査結果もある。 このため,パソコンの盗難を防止することは大切なセキュリティ対策の一つになる。盗難を防ぐには物理的にパソコンを持ち出せないような対策を施す。または,盗まれようとする際に警報音などを鳴らす。その際に有効なのが,盗難防止ロックや盗難防止アラームである。 種類の多い盗難防止ロック盗難防止ロックは,さまざまなメーカーが販売している。主要なメーカーは米Kensington Technology Group社(国内販売は七陽商事),ターガス・ジャパンなど。サンワサプライ,エレコム,ロアスなどのOAサプライ・メーカーも取り扱っている。それぞれ,ロックの種類やワイヤーの太さなどに応じて,数種類の製品を出している(写真1[拡大表示])。製品は数多く存在するが,基本的な使い方は同じである。 古くからのユーザーなら,ケンジントン・ロックという名前に聞き覚えがあるかもしれない。これは,Kensington Technology Groupの盗難防止ロック製品の総称として使われている。同社製品が盗難防止ロックで最も名の知れた製品ということもあり,ケンジントン・ロックという呼び方が広く認知されるようになったようだ。 現行の盗難防止ロックのほとんどは,ノートパソコン向けに販売されている。ノートパソコン側に設けられたセキュリティ・スロットに取り付けて使う注1)(写真2[拡大表示])。セキュリティ・スロットは,Kensington Technology Groupが最初に盗難防止ロックを発売した際に提唱した,専用のスロットである。セキュリティ・ロック・スロット,セキュリティ・ロック・ポートなどと呼ばれることもある。幅7×高さ3mm程度の長方形の穴で,ノートパソコンの側面に設けられていることが多い。背面,底面などに設けたパソコンもある。最近では,ほとんどのノートパソコンがセキュリティ・スロットを備えている。 盗難防止ロックは,金属製のワイヤーの先端が錠前の役割を果たすロックになっている。ロックの先端には,セキュリティ・スロットに挿せる大きさの爪がある。爪の形状はT字型のバーや,開いたり閉じたりする羽状になっている。スロットに挿してからカギをかけると,先端がスロットの穴の中で90度回転したり,閉じていた羽が開く。これにより,ロックを解除しない限り先端部がスロットに引っかかって取り外せない。 ロックと反対側は,ワイヤーを輪にして閉じてある。ワイヤーを机の脚などに巻いて,ロック側をこの輪に通してパソコンに接続する(写真2)。この際,ワイヤーを抜き取れないように巻き付ける。こうしておけば,パソコンを持ち出すことが不可能になる。 ロックの種類は,キー式とダイヤル式に分類できる(写真3[拡大表示])。キー式では,キーがないとロックを解除できない。ダイヤル式は3桁ないし4桁の数字を合わせる製品が一般的だ。どちらでも使い方に迷うことはないだろうが,盗難防止という観点ではキー式の方が確実だ。キーを紛失するリスクはあるが,ダイヤル式は総当たりで試されると,ある時点でロックを解除されてしまう。 ワイヤーを南京錠で止めてしまう方式の製品もある(写真3)。この製品では,セキュリティ・スロットに挿した部品にワイヤーを通し,そのワイヤーが抜けないように南京錠を使う。ノートパソコンだけでなく,マウスやテンキーパッドのケーブルを通して,パソコンとともに持ち出せないようにできるのが特徴である。 PCを金属枠に閉じ込める製品もワイヤーではなく,金属製のオリにパソコンを閉じ込めてしまう,米Kryptonite社の「クリプトボルト」(写真4)のような製品もある。3本の太いU字型の金属アームをカギ付きのシャフト(3本のアームを根元で固定する縦の金属棒)で止めてある。ロックを解除すると,アームを止めているシャフトが抜け,そこからパソコンをオリの中に入れる。アームでパソコンを挟み,シャフトを入れてロックすれば,パソコンを抜き取ることも,開くこともできなくなる。実売価格は1万1000円程度と盗難防止ロックよりも高いが,ワイヤーも8mm径と太く,安全性は高い。
(仙石 誠=日経バイト)
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