図3●インターネット・コンテンツ作成用アプリケーション使用時の性能 米BAPCoのベンチマーク・テスト「SYSmark 2002」での「Internet Content Creation」の値。含まれるアプリケーションは,Dreamweaver 4,Photoshop 6.01,Premiere 6.0,Windows Media Encoder 7.1,Flash 5(いずれも英語版)。 |
ただ,Pentium Mにも弱点はある。マルチメディア関連の性能だ(図3[拡大表示] )。ここでPentium M搭載機はPentium 4/モバイルPentium 4-Mを搭載したハイエンド・ノートに大きく水を空けられている。Internet Content Creationのテストでは,ストリーミングSIMD拡張命令(SSE)やストリーミングSIMD拡張命令2(SSE2)といったマルチメディア機能が実行速度に大きく影響する。Pentium Mは,通常の整数演算や浮動小数点演算はPentium 4より高速だが,SSE/SSE2を利用した際の性能はPentium 4の方が上である。このことがテスト結果に反映されたのだ。
2.5型と3.5型の差はアプリベースで約1割
ノートパソコンの性能は,アプリケーションの実行速度で見る限りデスクトップと遜色がない。だが実際に使っているとき気になるのが,ハードディスクの影響である。
そこで,デスクトップのテスト機であるDimension 8250のハードディスクを2.5インチ型に替えてテストしてみた。Dimension 8250が元から搭載していた3.5インチ型ハードディスクは米Western Digital社の「WD1200JB」(写真1右[拡大表示])。7200回転/分で容量120Gバイトの製品だ。これを2.5インチ型の「Travelstar 40GNX(IC25N040ATCS05)」(米Hitachi Globai Strage Technologies社製,写真1左[拡大表示])に交換した。2.5インチ型ながら5400回転/分の高性能製品で,容量は40Gバイトである。
米Ziff Davis Media社のベンチマークテスト「WinBench 99」の「Disk Inspection Test」で,ハードディスクの最大転送速度を測定した(図4[拡大表示])。この結果を見ると,両者の転送速度は2倍近い差がある。ちなみに参考値として,4200回転/分の2.5インチ型と4200回転/分の1.8インチ型の転送速度もノートパソコン上で測定した。スペックに応じて転送速度は下がる。
ただこれだけでは,実際の利用場面への影響がわからない。そこで3.5型と2.5型の性能差がアプリケーション実行時にどのくらい効いてくるかを調べるため,それぞれでSYSmark2002を実行した。その結果,Office ProductivityでもInternet Content Creationでもちょうど1割程度の差となった(図5[拡大表示])。また,WinBench 99の中でハードディスク性能の測定に特化した「Business Disk WinMark 99」と「High-End Disk WinMark 99」も測定した(図6[拡大表示])。前者は,WordやExcelなどのビジネス・アプリケーションのファイル操作時の性能を測定するものであり,後者はPhotoshopやPremiere,Visual C++といったプロ向けアプリケーションのファイル操作時の性能を測定する。ファイル操作に特化したテストであるため,アプリケーション操作全般を見るSYSmark 2002の結果より若干差が大きい。
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