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全ユーザーを2Mビット/秒程度底上げ?
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| 図●ウェーブレット変換の採用によるメリット |
JANISのアイデアは信号処理部分にウェーブレット変換を採用することである。ウェーブレット変換は現行のADSLが信号処理に利用しているフーリエ変換よりもノイズ耐性が高い。このため,同じノイズ条件のときにフーリエ変換よりも単位周波数当たりの送信データ量を多くできるのではないかと考えられている(図[拡大表示])。周波数帯域を変更せずに,既存のスペクトル・マスクに従った運用でも高速化できるので,TTCでの新たな議論を必要としない。
加えて,ウェーブレット変換にはフーリエ変換利用時に必須だった「サイクリック・プレフィックス」と呼ぶ冗長部分を設けなくてよいというメリットがある。この部分にデータを詰め込めることもスループット向上に寄与する。
JANISの技術顧問の平宮康広氏は「ウェーブレット変換を採用すれば,どんな線路条件であっても下り速度を1M〜2Mビット/秒程度高速化できるのではないか」と見積もっている。
ADSLの信号処理にウェーブレット変換を利用するという発想は,JANISのオリジナルではない。ADSL関連の特許を多数持つ米Aware社が次世代ADSLのための技術として1995年頃に発表していた。ただ,(1)フーリエ変換方式でも十分な速度が得られている,(2)ウェーブレット変換がフーリエ変換と比較して計算量が多くなるため実現が難しかった――という二つの理由から実装が見送られていた。
「ウェーブレット変換は現行のADSLチップのファームウェアを変更することで導入できるのではないかと考えている。今のチップはDSPの処理能力が向上しているので,十分な処理能力があると期待しているが,難しいのではないかという声も聞こえている。現在,Awareと交渉中だ。とりあえずサンプルを評価するところから始めたい」(平宮氏)という。