ジャンル:データ分析ツール 作者:アイエイエフコンサルティング
ライセンス:GPL  URL:http://sourceforge.jp/projects/openolap/

Designerによる多次元DBの作成

写真1●ディメンション登録画面
製品別のデータ分析のために,3つの階層から構成されるディメンションを登録している。
写真2●「時間」ディメンション登録画面
年度の開始月や半期,四半期の自動生成ができる。
写真3●メジャー登録画面
「売上金額」を3つのディメンションに関連付けて登録している。
写真4●キューブ登録画面(1)
「売上金額」と「コスト」メジャーを売上キューブに含めるようにしている。
写真5●キューブ登録画面(2)
「時間」と「チャネル」と「製品」ディメンションを売上キューブに含めるようにしている。
写真6●キューブ作成画面
売上キューブの新規作成を実行中である。
図3●Veiwerの画面構成
OLAP分析操作は「ビュー」領域で行う。
図4●「ビュー」領域の構成
3つのエッジに表示されているデータ項目を「メンバー」と呼ぶ。
図5●ドリルダウンとドリルアップ操作
メモリー全体の売上と製品個別の売上との間でドリルダウンとドリルアップの操作を実施した。
図6●スライシング操作
すべての顧客の売上から「バイエルン・インダストリー ロンドン」だけの売上を抽出するスライシング操作を実施した。

 Designerでは,多次元データベースのことを「キューブ」と呼ぶ。キューブを作成するには,まず基となるソース・データをいったんリレーショナル・データベース管理システム「PostgreSQL」に格納する。

 次にDesignerを用いて,多次元データベースのモデルを作成する。多次元データベースのモデルは,ディメンションとメジャー,ディメンションとメジャーの組み合わせを定義したものである。定義されたモデルもメタ・データとして,PostgreSQLに格納する。

 そして,ソース・データとメタ・データからキューブを作成する。作成したキューブもPostgreSQLに格納する。なお,Designerを用いたこれら操作は,Webブラウザからすべて実行できる。

 それでは,Designerの画面を用いながら,キューブ作成手順を紹介しよう。具体的な手順は次の通りだ。

(1)ディメンションの登録
(2)メジャーの登録
(3)キューブの登録
(4)キューブの作成

 ディメンションは,写真1の画面で登録する。写真1[拡大表示]では,製品別に分析するためのディメンションを,「製品クラス」(ハードウエアなど),「製品ファミリ」(ノートPCなど),個別の「製品」という3つの階層で定義している。

 時系列に分析するための時間ディメンションの登録には,写真2[拡大表示]の専用画面を用いる。ソース・データの日付フィールドのデータ(20040626など)から,事前に定義された設定により,半期や四半期といった階層や,会計年度といった特殊な区分を自動的に生成できる。

 メジャーは写真3[拡大表示]の画面で登録する。写真3では,「売上金額」というメジャーを,「製品」と「チャネル」,「時間」の3つの視点で分析できるように登録している。

 キューブは,写真4[拡大表示]と写真5[拡大表示]の画面で登録する。最初に,写真4でキューブに含めるメジャーを選択する。次に,写真5でキューブに含めるディメンションを選択する。この例では,「売上金額」と「コスト」という2つのメジャーと,「時間」と「製品」と「チャネル」の3つのディメンションを持つキューブを「売上キューブ」という名前で登録している。

 キューブは写真6[拡大表示]の画面で作成する。最上段の「キューブ」フィールドで登録済のキューブを選択する。次に「プロセスフィールド」で新規作成処理を選ぶ。〔実行〕ボタンを押すと,キューブの作成が実行される。作成終了すると,実行リストの「ステータス」が「実行中」から「終了」に変わる。

ViewerによるOLAP分析操作

 キューブへのアクセスは,Viewerを用いる。ViewerもWebブラウザ上から利用可能だ。ドリルダウンやスライシング,ダイシングを実行した分析結果を,Microsoft Excel(以下,Excel)形式のファイルに出力できる。

 先ほどのDesignerと同様に,Viewerも画面を用いながら,具体的な分析方法を紹介しよう。

 Viewerは,図3[拡大表示]のような画面構成になっている。OLAP分析操作は,図3の「ビュー」領域で行う。

 図4[拡大表示]が,「ビュー」領域の構成である。表の横軸が「列エッジ」,たて軸が「行エッジ」と呼ばれる。横軸にもたて軸にも配置されない残りのディメンションとメジャーが最上段の「ページ・エッジ」に配置される。

 3つのエッジに表示されているデータ項目を「メンバー」と呼ぶ。行エッジと列エッジに囲まれた領域は「データ・セル」と呼ばれ,集計値が表示される。

 ドリルダウンは,図5[拡大表示]のように操作する。行エッジまたは列エッジに表示されたメンバーには,ドリルダウン可能な場合は先頭に「+」マークが表示される。既にドリルダウンされている場合は「-」マークが表示されている。

 この「+」マークをクリックするとドリルダウンが,「-」マークをクリックするとドリルアップが実施される。図5は,「メモリー」のドリルダウンとドリルアップした例である。

 スライシングは,図6[拡大表示]のように操作する。ページ・エッジに表示された項目をマウスでクリックすると,階層もしくは選択可能なメンバーがプルダウン・メニュー形式で表示される。



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