表1●Movable Typeの動作に必要なファイル
Red Hat Linux 9をサーバーに利用している場合の例である。
図5●日本語ランゲージ・パックの導入手順
写真2●管理ユーザー「Melody」でのログイン画面
写真3●日本語メニュー表示用の設定
「EDIT YOUR PROFILE」メニューをクリックし,「Preferred Language」を「Japanese」に変更してSAVEボタンをクリックする。
写真4●日本語によるメニュー表示
表2●環境設定用の情報入力例
写真5●画像アップロード用の子ウインドウ
アップロードするファイルを選択し,「アップロード」ボタンをクリックすれば画像がアップロードできる。
写真6●投稿したエントリーの表示例
アップロードした画像もきちんと表示されている。

ランゲージ・パックとJcodeモジュールの導入

 以上でMovable Type本体を導入できたが,日本語を利用するには日本語のランゲージ・パックと,文字コード変換機能を提供するJcodeモジュールを導入する必要がある。なお,日本語ランゲージ・パックはMovable Typeの公式サイトにも用意してあるが,11月中旬時点ではこのバージョンが古く,利用に問題があるため,表1[拡大表示]に挙げたものを利用するようにしよう。日本語ランゲージ・パックの導入手順は図5[拡大表示]の通りだ。

 この作業後,「mt-ja-patch.cgi」というCGIプログラムを実行することで日本語パッチを適用できる。同CGIプログラムには「http://ドメイン名/~user/blog/mt-ja-patch.cgi」のようなURLでアクセスできる。「Applying patches...Done」というメッセージが表示されればパッチ適用完了である。

 最後に,Jcodeモジュールをインストールする。これには,Jcodeモジュールのアーカイブ・ファイルを展開し,その中にある「Jcode.pm」ファイルと「Jcode」ディレクトリをblogディレクトリ以下にある「extlib」ディレクトリにコピーする。作業手順は以下の通りである。

$ tar zxvf
Jcode-0.83.tar.gz
$ mv Jcode.pm Jcode
~/public_html/blog/extlib/

Webブラウザを使った初期設定と運用方法

 導入したMovable Typeの初期設定や運用管理,記事追加,更新などの作業はすべて,Webブラウザを通じて実施できる。これらの作業は,あらかじめ登録したユーザー・アカウントでログインしてから実施する。初期状態では各ユーザーのアカウントが用意されていないため,ユーザー名「Melody」,パスワード「Nelson」の管理アカウントでログインして行う。

 それでは,実際にログインしてみよう。ログイン・ページのURLは「http://ドメイン名 /~user/blog/mt.cgi」である。ここにアクセスし,標準アカウント情報を入力してから「LOG IN」ボタンをクリックすればログインできる(写真2[拡大表示])。

 ログインするとメニューが英語で表示される。日本語表記に切り替えるには,「EDIT YOUR PROFILE」メニューをクリックし,「Preferred Language」を「Japanese」に変更し,SAVEボタンをクリックする(写真3[拡大表示])。これによりメニューが日本語に変更される(写真4[拡大表示])。

 なお,管理アカウント「Melody」のパスワードは,初回ログイン時に必ず変更しておこう。これを忘れると,悪意のあるユーザーから設定を勝手に変更されたり,データを削除される恐れがある。

 それでは,Weblog記事を投稿してみよう。今回は誌面の都合上,ユーザーは「Melody」のまま,Weblogは,あらかじめ用意されている「FIRST WEBLOG」というサンプルをそのまま利用することにする。

 まず,FIRST WEBLOGの初期設定を行う。それには,メイン・メニューのWeblog一覧で「FIRST WEBLOG」に関するメニューから「ウェブログの管理」をクリックする。さらに,左メニューの中の「ウェブログの設定」をクリックする。これにより,FIRST WEBLOGの設定をさまざまに変更できる。

 ここでは表2[拡大表示]のように設定を変更した。保存ボタンをクリックすると,画像ファイルやアーカイブ・ファイルが保存される。ただし,アーカイブ・ファイル保存用のディレクトリ(/home/user/public_html/blog/archives)は自動作成されないので,あらかじめ手動で作成しておく。

$ mkdir ~/public_html/blog/archives

 以上で,環境設定は完了である。これで記事を投稿できるようになった。今回は画像付きの記事を投稿してみる。

 Movable Typeは一つひとつの記事を「エントリー」と呼び,エントリー単位の管理を行っている。ユーザーは,エントリーを追加投稿することで,新しい情報を発信し,Weblogに情報を蓄積していく。

 エントリーの追加は,エントリーを追加したいWeblogメニューから「新しいエントリー」を選択して行うのが基本だが,画像付きのエントリーの場合は,画像のアップロードを先行させた方が作業がスムーズに行える。

 画像のアップロードには,左メニューの中の「アップロード」ボタンをクリックする。すると,写真5[拡大表示]のような子ウインドウが表示されるので,ここでアップロードするファイルを選択する。子ウインドウ中の「アップロード」ボタンをクリックすれば画像がアップロードされる。この際,「アップロードしたファイルを使って,新しいエントリーを作る」を選択することで,エントリー作成画面に移動できる。

 なお,サーバーにImageMagickやNetPBMのような画像加工コマンドがインストールされていれば,アップロード時に画像のサムネイル(縮小)表示も可能だ。ここでは,サムネイル画像のサイズ指定や,サムネイルをクリックした際の元画像の表示方式の選択が行える。表示方式は,元画像を子ウインドウに別表示させる(POPUP IMAGE)か,同じウインドウに表示する(EMBEDDED IMAGE)かのどちらかを選択できる。

 画像アップロード後,自動でエントリーの新規投稿画面が開くので,ここに記事を入力する。最低限,タイトルとエントリーの内容(body部)を入力すれば良い。記事本文は通常のテキストで入力する。HTMLタグを使うこともできる。

 入力後,記事の状態を「下書き」から「公開」に変更して,保存ボタンをクリックする。すると,公開作業が行われる。左メニューの中から,サイトの確認ボタンをクリックしてみよう。今,投稿したエントリーが表示されるはずだ(写真6[拡大表示])。これで記事の投稿が完了する。

 駆け足での紹介となったが,Movable Typeには,紹介しきれない機能がまだまだたくさんある。まずは使ってみて,機能の豊富さや使い勝手を体感していただきたい。

(重松 直樹)