一番簡単なSambaサーバー構築
Sambaを簡単かつ確実にインストールには,以下の点に留意してほしい。
(1)Samba日本語版を採用したLinuxディストリビューションを利用する。もしくはSamba日本語版を(Red Hat系の場合)RPMでインストールする(ソースからコンパイルはしないこと)。
(2)smb.confはSamba日本語版に添付されているものを利用するか,図1[拡大表示]のものを利用すると良い。図1で[global]セクションの中に
map to guest = bad user
と設定すると,ユーザーを登録しなくてもSambaによるファイル/プリンタ共有機能を利用できるので,最初の動作確認段階では設定しておくと良いだろう。
(3)Red Hat Linuxの場合,インストール時にセキュリティ設定をデフォルトの「中」にするとSambaが利用できない。いったん,ファイアウオール設定(setupもしくはlokkitコマンド)を「なし」にし,Sambaが動作することが確認できてから再度ファイアウオール設定を実施する。
(4)Sambaの設定にはSWAT(Sambaの管理ツール)を利用するのが基本だが,初心者にはWebmin(Webベースの管理ツール)の利用を勧める(Webminについてはhttp://jp.webmin.com/を参照)。
WebminからSWATを呼び出すことも可能である(スーパーサーバーのxinetdやinetd経由ではないので,xinetdやinetdの設定は不要)。WebminでSSLによる暗号化通信をしていれば,SWATの通信も暗号化されるので安心だ。
Webminで「Sambaユーザとの同期」を設定しておけば,Linuxへのユーザー登録を行うと自動的にSambaユーザーとしての登録も実施してくれる(写真1[拡大表示])。
また,Webminのファイル・マネージャを利用すると,ファイル・マネージャからディレクトリを作成してそれをSamba(やNFS)で共有するといったことが簡単に実現できるので,ぜひ試してみて便利さを実感してほしい(写真2[拡大表示])。
Red Hat Linuxは,Webminを標準採用していない。http://www.webmin.com/からWebminのRPMパッケージをダウンロードして導入することも可能ではあるが,依存するモジュールがいくつかあるので,場合によってはWebminをきちんと動作させることが難しい作業となる。このため,初心者の方はやってみてうまくいかなければ,すぐあきらめた方が良いだろう。
なお,Samba日本語版を標準採用する国産のLinuxディストリビューションは,Webminも標準搭載するものがほとんどである。それらの利用を勧める*3。
次回はもう少し詳しく,Sambaの設定について解説していく。