ジャンル:データ分析ツール 作者:アイエイエフコンサルティング |
この表示されたメンバーの中からスライシングの対象とするメンバーを選択する。図6[拡大表示]では,「顧客」ディメンションをプルダウンし,「バイエルン・インダストリー・ロンドン」というメンバーでスライシングしている。
ダイシング操作には,入れ替えと移動の2種類がある。図7[拡大表示]が入れ替え操作である。入れ替えたい項目をエッジからマウスでドラッグし,入れ替え対象の項目名の上にドロップする。
図7の(1)では,列エッジの「時間」ディメンションを,行エッジの「製品」ディメンションと入れ替えている。一方,図7の(2)では,ページ・エッジの「顧客」ディメンションを,行エッジの「時間」ディメンションと入れ替えている。
もう一つの移動操作は図8[拡大表示]のように実施する。移動したい項目を,列エッジまたは行エッジからドラッグし,移動先のエッジに既に表示されている項目名の左右どちらかのボーダー(けい線)にドロップする。左のボーダーにドロップすると,既に表示済みの項目の上位に,右のボーダーにドロップすると,既に表示済みの項目の下位に,項目を移動できる。
図8の(1)では,ページ・エッジのメジャーを,行エッジの「顧客」ディメンションの下位に移動している。一方,図8の(2)では,行エッジのメジャーを,列エッジの「製品」ディメンションの上位に移動している。
ただし,行エッジもしくは列エッジに単独で表示されている項目を移動することはできない。
なお,図9[拡大表示]の移動操作例でも分かる通り,OpenOLAPのユーザー・インタフェース上では,定義されたすべてのメジャーを1つのディメンションのように扱う。
メジャーは階層を持たないため,ドリルダウンの対象とはならない。しかし,スライシングとダイシング操作は可能だ。
したがって,メジャーがページ・エッジにある場合にはプルダウン・メニューから,どの種類のメジャーでデータ・セルの値を表示するかを選択できる。図9では,スライシングと同様の操作を使い,ページ・エッジにあるメジャーを「売上」から「コスト」に変更している。
分析した結果は,p.109の図3のツール・バーにある〔エクスポート〕ボタン(表と矢印とXが組み合わさったアイコン)をクリックすることで,XML Spreadsheet Schema形式でエクスポートできる。この形式は,Microsoft Office2000以降に含まれるExcelで読み込める。スクロール領域やデータ・セルの色などもそのままの状態が保持される(写真7[拡大表示])。
OpenOLAPの入手と問合せ方法
OpenOLAPは,独立行政法人情報処理推進機構*1が公募した「2003年度オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業」による支援を受けて,筆者の勤務するアイエイエフコンサルティング*2が開発したオープンソース・ソフトである。
OpenOLAPは,共同開発環境サイト「SourceForge.jp」*3上でソース・コードが公開されており,GNU一般公有使用許諾書(GPL)に基づいたオープンソース・ソフトウエアとして無償提供されている*4。記事執筆時点では,次の2つのファイルがダウンロードできる(写真8[拡大表示])。
・Document_V1.0.1.zip
・OpenOLAP_V1.0.1.zip
Document_V1.0.1.zipには,OpenOLAPのマニュアル一式,OpenOLAP_V1.0.1.zipにはソフトウエア一式とサンプル・データが含まれている。
技術的な質問には,プロジェクト・ページにある公開フォーラムが利用できる。そのうちのHelpフォーラムでは,インストールでの問題などの技術的な問題が議論されている。分からないことがあれば,こちらに投稿していただきたい*5。