Linuxのデスクトップ利用が言われて久しいが,なかなかブレイクしない。原因は色々とあるようだが,私が思うには日本語入力が今ひとつ良くないこともあるのではないだろうか。
日本語入力ソフトはWindowsでMS-IMEが標準で利用できるようになると,日本語入力は最初から使えて当たり前,きちんと変換できて当たり前というような風潮になった。その環境になれてしまった身からすると,Linuxデスクトップは日本語入力環境という観点からはやや使いにくい環境という風に感じられる。特に私のように四六時中日本語の文章を入力していると,日本語入力のしやすさが作業効率に大きく跳ね返ってくるだけに切実だ。
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カスタマイズ可能な項目が多いATOK for Linux
Linuxの場合,多くのディストリビューションではデフォルトで利用できるFreeWnnがまずは最初の日本語入力環境になることが多いだろう。しかし,いかんせんFreeWnnのベースになったバージョンが古いこともあって,使い勝手がよいとはなかなかいいにくい。また,Linux版ATOKの前のバージョン「ATOK X for Linux」を評価してみたことがあった。しかし,キーカスタマイズなどがまともにできないなど,残念ながら実用性の点では不十分だった。このあたりの記憶から,「Linuxの日本語環境は厳しい」という評価が私の中ででき上がっていたように思う。
しかし,ATOK for Linuxはキーカスタマイズがかなり柔軟になっている(写真3[拡大表示])。入力環境のセッティングは十人十色だけに,デフォルト設定だけですべてOKとはいかないが,カスタマイズさえできるようになっていればこっちのもの。例えばWindowsに慣れているユーザーであれば,キーバインドのプリセットとしてMS-IME互換のキーバインドが用意されているので,インストール直後にさっさと切り替えてしまってもいいだろう。
ただし,カスタマイズ項目は多くあるものの,完璧ではないようだ。