マイクロソフトはWindows 2000やXP,Server 2003などのサポート期間を延長することを明らかにした(関連記事)。サポート延長により,これらのセキュリティ・パッチは製品発売から最低10年は無償で提供されることになる。これ自体は喜ばしいことだが,Windows NT 4.0は対象外。このままでは,2005年1月1日以降はWindows NT 4.0のセキュリティ・パッチは提供されなくなり,セキュリティ的には使用できなくなる。国内ではNT 4.0はまだまだ使われている。ぜひサポート期間を延長してもらいたい。

NT 4.0は新ポリシーの適用外

 マイクロソフトは5月26日,「『マイクロソフト サポート ライフサイクル ポリシー』の改訂について」というプレス・リリースを公開した(関連記事)。

 リリースによると,同社のビジネス用および開発用ソフトウエア製品のサポート提供を,製品発売から最低でも10年に延長すると発表した(今までは,原則7年だった)。今回のポリシー改訂に伴い,製品発売から最低でも10年間,セキュリティ更新プログラム(セキュリティ・パッチ)が無償で提供されることになる。

 新ポリシーの対象となるのは,現在「メインストリームサポートフェーズ」にある製品と今後発売される製品が対象となる。具体的には,Windows 2000 Server/Professional,Windows XP Professional,Windows Server 2003などが対象となる(関連記事)。

 例えば,Windows 2000 Server/Professional の場合,セキュリティ・パッチが無償で提供される「延長サポート」期間は,2010年6月30日まで,あるいは次期Windows(Longhorn)発売が発売されてから2年後までのどちらかになる。より長いほうが延長サポート期間になるので,次期Windowsが2008年6月30日以降に発売されれば,その2年後までセキュリティ・パッチは無償で提供される。つまり,少なくとも2010年6月30日までは確実に提供される。

 しかし,新ポリシーが適用されるのは,上述のように,現在「メインストリームサポートフェーズ」にある製品および今後発売される製品だけである。現在も多数使用されている Windows NT Server 4.0 については,既に「メインストリームサポートフェーズ」が終了しているため,新ポリシーは適用されない。

 つまり,Windows NT Server 4.0については,今回のライフサイクル ポリシー改訂の影響を受けない。2003年2月に掲載したコラム「受難続きのWindows NT Server 4.0ユーザー」で取り上げた時と,残念ながら状況は変わっていない。Windows NT Server 4.0のセキュリティ・パッチが提供されるのは,2004年12月末日までである。セキュリティ・パッチが提供されなくなる2005 年1月1日以降は,セキュリティ的な観点においては,Windows NT Server 4.0 は事実上使用できないと考えるべきだろう。