米Informixが米国時間9月19日に,2つの事業部門を新会社として分離し,実質的に2社に分社する計画を明らかにした。
 1社めはデータベース管理システム(DBMS)製品を担当する「Informix Software」で,データ・ウエアハウス,トランザクション処理,電子商取引向けアプリケーションなどに適したDBMSの提供に特化する。

 もう1社は,DBMS製品に独立な,電子商取引向けソリューションの提供を担当する「e-Business Solution Company(仮称)」。正式名称は2000年末までに決定する。

 両社とも,当初はInformixの完全子会社として運営するが,最終的には経営を独立させ,上場を目指す。資本についての詳細は2000年末までに追って発表を行う。

 Informixは8月9日に,「急速に成長するe-Businessやビジネス・インテリジェンス・ソリューションに焦点をあてる」(Informix社長兼CEOのPeter Gyenes氏)として,事業および財政強化を図る事業再編計画を発表していた。
 この計画のもとで,Informixはすでに5つの旧事業部門を統合し,「DataBase Business Operations」と「Solutions Business Operations」の2つのグループに分割ずみ。今回の発表では,このグループをそれぞれ新会社として立ち上げることになる。

 新しいInformix Softwareは,データベースの提供のほか,ISV企業などをはじめとしたパートナーシップの構築やデータベース向けアプリケーションの拡充を図る。電子商取引やCRM向けなどに注力,関連サービスに力を入れていくという。

 Informix Softwareの社長には,Database Business Operationsの上級副社長,Jim Foy氏が就任する。従業員は2300人で,製品開発650人,コンサルタントおよび技術サポート570人,販売/マーケティング要員(海外含む)625人。7月時点で2万5000社を超える顧客を抱える。2000年における売上高予測は7億8000万ドルから8億ドル程度になる見通しであるという。2001年には電子商取引向けデータベースの販売増を見込んでおよそ5%増の売上高を期待している。

 一方のe-Business Solutionでは,自社製品のほか,米Oracleや米IBM,米Microsoft,Sybaseなどのデータベース製品に対応するソリューションやインフラを提供する。
 同社の社長には,Solutions Business Operationsの上級副社長Pete Fiore氏が就任する。従業員は1100人とし,製品開発310人,コンサルタントおよび技術サポート240人,販売/マーケティング要員(海外含む)450人の陣容でスタートする。7月時点で1500社の顧客を抱える。2000年における売上高は1億2000万ドルから1億3000万ドル程度となる見通しで,2001年には80%~100%増の拡大を期待している。

 また,これに関連して,Informixは現在シリコンバレー地域にある本社を,マサチューセッツ州Westboroに移転する。新設するInformix Softwareの本社はシリコンバレー地域に設置し,e-Business SolutionはWestboroに置く。

Informixが再編計画の内容を発表,e-Businessに焦点

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