2001年11月,NTTドコモは地域限定ながら新しい携帯電話サービス「FOMA」をスタートさせた。このFOMAは第3世代携帯電話とか,「3G」と呼ばれている。第4世代移動通信システムは,その次の世代をねらったものである。日本は,第4世代移動通信システムの取り組みに大変積極的であり,2001年6月には,基本コンセプトを取りまとめている。

 IMT-2000の後継システムについては,国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)の第8研究委員会(SG8)の中にある「WP8F」と呼ばれる専門家会合で議論されている。2001年10月に東京で開催されたWP8Fで,日本から第4世代移動通信システムの基本コンセプトが提案され,大筋で認められた。

 計画通りに進めば,2002年にWP8Fが勧告案を作成し,2003年に開催が予定されている無線通信総会で正式に承認されることになる。

 日本がまとめた基本コンセプトによると,(1)伝送速度は下りが最大100Mビット/秒程度,(2)IPv6に対応する,(3)ソフトウエア無線などの次世代無線技術を採用,(4)無線LANやBluetoothなども自在に使う,(5)5G~6GHz帯よりも下の周波数帯域を使う――などとなっている。実用化時期は2010年で,2005年までに要素技術を確立するという。

 なおWP8Fは,パケット交換技術を用いた高速データ通信向け仕様として,IMT-2000を改良・発展させた技術も開発している。こちらは3.5Gと呼ばれており,HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)と1xEV-DV(1x Evolution Data with Voice)がある。