アドレスの自動設定機構
 IP通信に必要なIPアドレスを,ケーブルをつないで電源を入れるだけで自動的に設定する機構。IPv4ではDHCPがそれに当たる。

ルーター解決パケット
 IPv6 ICMPパケットの一種で,IPv6ルーターが存在するかどうかを調べるためのパケット。任意のIPv6ホストが,IPv6ルーターだけが受信するマルチキャスト・アドレスあてに送信する。

ルーター広告パケット
 IPv6 ICMPパケットの一種で,IPv6ルーターが自分の存在を広告するためのパケット。ルーター解決パケットに対する返事として送信されるほか,一定時間毎にIPv6ルーターがリンクに送信する。ルーター広告パケットには、そのリンクで利用できるプレフィクスやその寿命などの情報も含まれる。

プレフィクス
 IPv4ではネットワーク・アドレスと呼ばれていたIPアドレスの前半部分のこと。IPv6アドレスは,例えば“2001:240:301:0:250:8bff:fe68:7546/64”のように,IPv6アドレスのうしろにスラッシュを付けて,プレフィクス長を付記できる。この例では,プレフィクス長は64ビットなので,前から64ビット分の“2001:240:301:0::”がプレフィクスである。

NAT箱
 NAT(network address translator)機能を持つネットワーク装置のこと。本来の意味のルーターと比べると,NAT箱はまったく異なる機能を持っている。

IPv4向けのIPアドレス割り当て
 IPv4では,PPPのIPCP IPアドレス・オプションにより,相手に一つだけIPアドレスを割り当てることができる。プロバイダはこの機能を用いてユーザーにグローバル・アドレスを一つだけ割り当てている。IPv6でも似たようなオプションがPPPにあるが,そこで割り当てられるアドレスはリンクローカルであり,グローバル・アドレスを割り当てることができない。

IIJ研究所の萩野さん
 萩野純一郎氏。日本有数のハッカーであり,KAMEプロジェクトの中心人物の一人。“itojun”という呼び名の方が有名。

セキュリティの観点から見ると
 IPv6ではすべてのホストがグローバル・アドレスを持つので,すべてのホストがインターネット側からアクセスされる可能性がある。その時,何らかのファイアウォール的な箱をインターネットとホストの間に入れることで,ネットワークとしてのセキュリティを高めることができる。