プラグ・アンド・プレイの最終的な目的は，電源を入れたり，ケーブルに接続したりするだけですぐにIPv6の通信環境をセットアップすること。こうしたことから，開発テーマは幅広い。ただし，今あるIPv6ソフトに実装されているプラグ・アンド・プレイ機能は，自身のIPv6アドレスの生成と設定，そしてデフォルト・ゲートウエイの設定である。
IPv6のプラグ・アンド・プレイは，RA（router advertisement) と呼ばれるIPv6独自の手法に基づいて進められる。RAを日本語に訳すと「ルーターの広告」となる。これは，ルーターがIPv6アドレス情報をLAN上のマシンに通知することを意味している。ルーターが広告するIPv6アドレス情報は，128ビットの前半部分の64ビット分である。このルーターが広告するIPv6アドレス情報はプレフィクスと呼ばれ，そのルーターの配下にあるすべてのマシンで同じ値になる。
プレフィクスは，ルーター間で経路を識別するための情報となる。通常，インターネット接続事業者がネットワークごとに割り当てる。そしてこれをネットワーク管理者がルーターに設定し，ルーターに広告させる。
では残りの下位64ビットはというと，これはパソコン自身が決める。上位64ビットをプレフィクスと呼ぶのに対し，下位64ビットはインタフェースIDと呼ばれる。ルーターから受け取ったプレフィクスに自身で生成したインタフェースIDを組み合わせた結果を，自分が使うべきIPv6アドレスとして設定するのである。
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