セキュリティ機器開発ベンチャーの米クロスビームシステムズは、今秋から日本市場に本格参入する。2005年6月に設立した日本法人のクロスビームシステムズジャパンが、このほど販売パートナーの募集に着手した。同社の製品は、1つのきょう体にファイアウオールやIDS(侵入検知装置)、アンチウイルスなどの機能を収めた点が特徴。セキュリティ分野では日本市場で後発の参入となるが、「システム全体の管理・運用しやすさに着目したソリューションの需要は、日本ではこれから本格化する」(日本法人の西原政利社長、写真)と見ており、大企業を中心に顧客を開拓する考えだ。

 クロスビームは2000年創業で、1つのきょう体にルーターや負荷分散などのネットワーク処理装置と、IDSやアンチウイルスなどのセキュリティ機能を納め、統合セキュリティ製品として提供している。様々なセキュリティ製品をユーザーが組み合わせる場合に比べて、セキュリティシステム全体のポリシー設定や管理・運用を容易にできるほか、システムの信頼性を高めることができる。セキュリティ機能がボトルネックとなる事態を避け、ネットワーク性能との両立も図れるという。ファイアウオール機能を実現するソフトは米チェックポイント・ソフトウェア・テクノロジーズから、アンチウイルスやアンチスパムはトレンドマイクロなどからといったように、セキュリティの各機能は提携ベンダーから供給を受ける。

 クロスビームでは「日本ではセキュリティ製品の機能に対する関心は高いが、システム全体を統合的に運用管理する点に関しては、米国より1年遅れている」(西原社長)としており、コストパフォーマンスや信頼性、運用の容易さなどを、顧客企業に訴求していく。販売パートナーについては、ソリューションプロバイダ数社と交渉に入っており、9月にもまず3社と、年内には6社と契約を結べる見通しという。今秋からの1年間で、まず20~30台、金額で4億~5億円の販売目標を立てている。その後もパートナーを増やし、早ければ2006~2007年にも年間販売額を10億~20億円に引き上げたい考えだ。

玄 忠雄=日経ソリューションビジネス
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