東洋ビジネスエンジニアリング(B-ENG)が医療機器商社のムトウ(札幌市、田尾延幸社長)から、基幹システム再構築にかかわる契約の解除と9億3400万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起された問題について、B-ENGの千田峰雄社長は「当社の正当性を主張していく」とコメントし、争う姿勢を改めて示した。2006年3月期第1四半期決算の説明会の席上で述べたもの。

 両社は現在は調停に入っているが、専門家が両社の間に入って論点を整理しているのにとどまり、和解交渉には至っていない。B-ENGは、ムトウの基幹システム再構築プロジェクトについて、アプリケーションを開発して納品と検収を終了していることを強調し「訴えられる原因はない」と主張した。ただし、争点となっているハードウエアのダウンサイジングの責任の所在については「契約の中身については言えない」と明言を避けた。

 B-ENGがこの日発表した2006年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比2.6%増の18億700万円、営業損益が2000万円の赤字で、前年同期に比べて赤字幅を縮小した。ムトウの基幹システム再構築案件で使われたOracle E-Business Suite(EBS)関連の売上高総利益率は、2005年3月期は通期で3.8%だったが、今期第1四半期には不採算案件の解消で26.7%にまで回復した。全体の売上高総利益率も31.7%と3.7ポイント上昇している。

中井 奨=日経ソリューションビジネス
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