日本オラクルは7月25日、SOA(サービス指向アーキテクチャ)ベースの業務システムを実現するBPEL(ビジネスプロセス実行言語)ソフト「Oracle BPEL Process Manager 10.1.2(BPM)」の販売を開始した。同社のアプリケーションサーバー「Oracle Application Server 10g Enterprise Edition」のオプションとして、8月9日から出荷する。BPELとは複数のサービスを組み合わせXMLで業務プロセスを表記する業界標準の言語のことだ。

 BPMはBPELを使って、業務プロセスを設計したり、業務プロセスに合わせてWebサービスを実装し、管理することができる。日本オラクルの三澤智光執行役員システム事業推進本部長は、「大企業は複雑化する業務プロセスに悩んでいる。先進企業はこの課題を解決し業務プロセスを統合できるのはSOAだけであり、SOAの実現手段はBPELだと考えている」と断言する。

 とは言え、国内にはBPELを使ってSOAを実践しているユーザー企業はほとんどない。そのため同社は、まずリファレンスユーザーを作ることに注力する。三澤執行役員は、「これから半年の間に約10社あるリファレンスユーザーをカットオーバーし、その後で本格的な販売に乗り出す。SOAの実現にはパートナーの協力も必須で、半年の間にパートナーにもBPELに慣れてもらおうという狙いもある」という。

 BPMの価格は125万円。別途、必要となるApplication Serverが375万円からなので、合わせても500万円とBPELツールとしては価格を抑えた。これ以外にもオラクルは、業務プロセスをモデリングするための「Oracle BPEL Designer」や、SOA対応アプリケーションを開発する「Oracle JDeveloper」、業務の進行状況をモニタリングするツール「Oracle BAM」といったSOAを実現するために必要なソフト群を用意する。

鈴木 孝知=日経ソリューションビジネス
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