NTTコムウェアが、中堅・中小企業向けの指紋認証システム「e-UBF Small Office Kit」の拡販に向け、パートナーとの連携を強化している。中堅・中小企業向けの業務パッケージを提供するISV(独立系ソフトベンダー)との製品連携を推進しているほか、中堅・中小規模の販売パートナーとの協業による検証を基に、中堅・中小企業のニーズにあったソリューションの開発を急ぐ。

 NTTコムウェアが今年2月に発売したe-UBF Small Office Kitは、指紋認識センサーや管理用サーバーソフトなどからなる指紋認証システムで、指紋認識センサー10ユニットなど価格を63万円に抑えることで、社員数が数十人程度からの中堅・中小企業市場をターゲットにする。

 業務パッケージとの連携の第一弾として、オービックビジネスコンサルタント(OBC)が今年7月から、同社の業務パッケージ製品「奉行シリーズ」とe-UBFを連携する製品を提供開始する。奉行シリーズへのログインを、e-UBFで一元管理できるようになる。奉行シリーズとe-UBFを連携するソリューションの販売は、OBCとNTTコムウェアの販売パートナー双方が手掛ける。

 NTTコムウェアは今後も、中堅・中小企業向けのERP(統合基幹業務システム)製品やCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)製品など、e-UBFと連携するパッケージの品揃えを増やす計画で、年内に30種類の品揃えを目指す。

 一方、ターゲットとなる中堅・中小規模の販売パートナー企業がe-UBFを自社導入し、自らの検証結果に基づいて、ユーザー企業への拡販を目指す取り組みも始めた。例えばジェイエスピー(横浜市、稲田彰典社長)は、今年7月から自社利用を開始、自社でのデモンストレーションを実施するなどして、営業活動を本格化する。NTTコムウェアの松谷光男パートナー営業部長は「中小企業への拡販には、製品の必要性やメリットを実証することが不可欠」と話す。

 これらの拡販策をテコにNTTコムウエアは、2005年度末までに、e-UBF Small Office Kitを、300セット、3億円の販売を目指す。

森重 和春=日経ソリューションビジネス
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