日本オラクルが、携帯電話向けのデータベースソフト「Oracle Database Lite 10g for Symbian」の拡販戦略を明らかにした。NTTドコモが7月1日に発売するビジネスFOMA端末「M1000」向けに今秋にも出荷を開始する。製品出荷に先駆け、7月1日からISV(独立系ソフトベンダー)やシステムインテグレータなどのパートナー企業にベータ版を提供、Oracle Database Liteを使った業務アプリケーションの開発や、先行ユーザー開拓を急ぐ。

 NTTドコモのM1000は、無線LAN機能を搭載するPDA型の携帯電話端末。パソコンと同等のメール機能やWeb閲覧機能を搭載している。OSに英シンビアンのSymbian OSを採用し、ソフトウエア開発キットを無償で提供するなどにより、ISVなどによる業務アプリケーションの開発を推進する。企業や企業内個人への拡販を狙う戦略商品である。オラクルは、M1000向けにOracle Database Liteを使った業務ソリューションを売り込むことで、企業のバックエンドシステム向けのデータベース製品の拡販にもつなげる狙いだ。

 Oracle Database Liteを使えば、大量のデータを携帯端末に格納して利用可能なアプリケーションを構築できる。1つのデータベースに、複数のアプリケーションからアクセスするシステムも構築可能だ。メールを使って端末の操作をロックする機能などのセキュリティ機能も備える。日本オラクルは、ISVなどのパートナーと共同で、営業支援システムやフィールドサービス業務システムなどのアプリケーションを品揃えしていく計画だ。既に、ソフトブレーンの営業支援システム「eセールスマネージャー」や、テニックとエヌアイデイ・アイエスが提供するSymbian OS向け開発環境「MoPulse」などの提供を予定している。

 オラクルが携帯電話向けのデータベース製品を提供するのは、今回が始めて。携帯電話ソリューションで先行する日本市場で、ワールドワイドに先駆け投入する。

森重 和春=日経ソリューションビジネス
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