経営コンサルティングやe-ラーニング事業を手掛けるケアブレインズ(千葉市美浜区、松下博宣社長)は、オープンソースのCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)ソフト「SugarCRM」関連ビジネスを7月から本格的に立ち上げる。

米シュガーCRMが開発した商用版を日本語化して販売するほか、早稲田大学ビジネススクールなどと協力して日本でもSugarCRMの開発コミュニティを立ち上げ、ソフトに日本独自の商習慣を反映できるようにする。

 SugarCRMは、開発元のシュガーCRMが昨年春にソースコードを公開しオープンソース化したもので、カスタマーサービス、営業支援、グループウエア、プロジェクト管理などの機能を持つ。米国を中心にすでに6万社が導入しているという。

SugarCRMの開発コミュニティは、Linuxやミドルウエアのオープンソースの場合と異なり、技術者だけでなくセールスやマーケティングなどのエンドユーザーが参画している。エンドユーザーの要望を基に要件を定義し、技術者が開発を進めるといった手順で機能強化が進めている。シュガーCRMは、このオープンソース版に組織階層定義などの機能を加え、パッケージ化して商用版として販売している。

 ケアブレインは今春から、まずオープンソース版でのビジネスをスタート。中小企業などを対象にコンサルティングを行い、セールスやマーケティングプロセスの改革を提案し、SugarCRMを導入する。ケアブレインズはコンサルやホスティング、カスタマイズから収益を得る予定。すでに数社が導入を進めているという。

7月には、シュガーCRMと代理店契約を結び、中堅以上の企業を主な対象に商用版の販売を始める。米国での年間ライセンス料金は1ユーザー当たり200ドル台で、日本でも既存の商用ソフトの10分の1になる料金水準で販売する。

一方、日本でのコミュニティの運営は早大が中心となり、ケアブレインズも協力する。千葉市も「産学共同研究促進事業」としてコミュニティ運営を資金面などで支援する。「プロジェクトマネジメントの経験があり、エンドユーザーと技術者の仲立ちができるコンサルタントが参画することが、コミュティ活性化の鍵を握るだろう」と内田隆平ソリューション開発チームリーダーはみる。

木村 岳史=日経ソリューションビジネス
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