インターネット セキュリティ システムズ(略称ISS)は、教育ビジネスを拡大する。セキュリティ分野における独自の新しい認定制度を設けたり、新しいプログラムを追加することで、専門技術者を育成していく。対象となるのはユーザー企業のシステム部門や、セキュリティソリューションを販売するITベンダーといった技術者向けで、5月18日から開始する。

 これまでも同社は、セキュリティのぜい弱性診断を実施できるようにするセキュリティアセスメントや、外部からの不正侵入検知や防御を狙ったプログラムを提供していた。今回は新たに情報漏洩防止対策のプログラムを新たに加えたほか、それぞれの認定制度として「ISSアセスメントエキスパート」(ICAE)、「ISS侵入防御エキスパート」(ICPE)、「ISS情報管理スペシャリスト」(ICMS)を新設した。各プログラムを受講し、試験に合格することで認定資格を得られる。「今回のプログラムは日本独自で開発したもの。個人情報保護の時代でも、いまだに認識が遅れている企業も多いため、あえて認証制度を設けることで啓蒙することが目的」(プロフェッショナル サービス部の山口毅治シニアディレクター)。

 今回のプログラムの特徴は、同社製品など特定ツールに依存しないことや、より実践的な内容を盛り込んでいる点という。例えばICAEでは、アセスメント理論からスキャン結果の評価・報告書の作成まで、理論と実務を習得できるようにする。「ワークショップなどを中心に行い、実際に現場で役立つような実践力を養成することが狙い」(同教育課の志茂野利夫マネージャー)。

 ICAEの場合、標準の研修期間が5日間で価格は36万9000円。ICPEは6日間で44万1000円、ICMSは3日間で15万円。初級コース(1日5万円から)など必要な部分だけを受講することもできる。初年度は、各プログラムとも50人づつ、合計150人を目標にしており、教育ビジネス全体の約30%にする計画だ。

大山 繁樹=日経ソリューションビジネス

「日経ソリューションビジネス」は、ITサービス企業の営業・マーケティング、マネジメント向けの雑誌です。
今なら「日経ソリューションビジネス」を無料で1冊試読いただけます。
詳しくはこちらからどうぞ。