米オラクルのオラクル・サポート兼オラクル・オン・デマンド担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのユーゲン・ロトラー氏がこのほど来日、同社が提供するアウトソーシングサービス「Oracle On Demand」のビジネスの現状や日本市場でのパートナーとの協業策などを聞いた。要旨は以下の通り。

◆ソフトウエアのビジネスは大きく変遷している。その将来は、オンデマンドに向かっており、そこに注力することが不可欠になっている。オンデマンドのビジネスは、過去には米国やカナダで先行して大きな成果を上げたが、ここ数年はグローバルでビジネスチャンスが拡大している。ヨーロッパやラテンアメリカ、アジア、日本でもオンデマンドが注目を浴びるようになった。

◆日本市場では、金融機関や製造業など、大手企業を中心にオンデマンドに注目が集まっている。特に、メインフレームからオープンの環境に移行しようというユーザー企業の関心が高い。ユーザー企業は、メインフレームの技術からオープンの技術へ、スキルセットを移行していく必要があるが、Oracle On Demandの管理サービスを活用することで、足りないオープンのスキルセットを埋めることができる。

◆米国では、データセンターのハードを含め、ソフトウエアの管理まで、完全なソリューションをオラクルが提供することを要求される。一方、日本では、オラクルはソフトウエアの管理に特化し、データセンターやシステムの管理は、パートナーが手掛ける。パートナーが、ハードの監視やコンサルティングなどの自社のサービスに、Oracle On Demandの管理サービスと組み合わせたサービスも提供するようになった。オラクルのサービスがパートナーのビジネスと競合するという見方は誤りで、重要なのは、パートナーのビジネスにとって補完的な要素をオラクルが提供することだ。

◆5年以内には、オラクルのビジネスの半分を、オンデマンドのビジネスが占めるようになるだろう。ただし、そのときはオンデマンドのビジネスは、ライセンスやサポート、コンサルティングのサービスの中に含まれ、今とは違う形になっているはずだ。現在のOracle On Demandの顧客は、世界で400社強、エンドユーザー数は12万5000人以上に増えた。売り上げは、年間平均で50%伸びている。日本市場も、今年の売り上げは前年比5倍を見込む。

森重 和春=日経ソリューションビジネス

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