ミロク情報サービス(MJS)の新社長に、是枝周樹(これえだひろき)氏が4月1日付で就任した。父親で会長の信彦氏から、40歳という若さで引き継いだ是枝社長は、これまでに営業本部長や経営企画室長などを歴任してきた。是枝社長に、今後の戦略を聞いた。

◆経済環境が厳しい中で、このような大役を任せられて非常に緊張している、というのが率直な心境だ。当社は、約30年近く会計ソフトを販売してきたが、最近では競合ベンダーも多い。今後はユーザー企業数が飛躍的に増加することは期待できず、市場が飽和していく中で、当社がパッケージビジネスだけで収益を拡大できるのかについて危機感を抱いている。
 中長期的に見て、当社がどうすれば成長できるのか、挑戦を強いられている。競合他社が、保守をはじめサービスで収益を確保している。当社も今後サービス事業を強化していくが、競合他社とは違う付加価値を打ち出していく。

◆その1つが、会計事務所チャネルに特化した事業展開だ。当社は会計事務所に会計ソフトを販売していると同時に、会計事務所の紹介で顧問先の中小企業にもシステムを販売している。中小企業が、資金繰りに困った際に、金融機関から速やかに融資を受けられる金融サービス事業を2006年3月期中に開始する計画だ。会計事務所が所有する顧問先企業の決算データを金融機関が審査し、非対面で融資できるようになる仕組みだ。当社が独自に提供している電子認証サービスを活用することによって、審査や契約にかかる期間を大幅に短縮できる。

◆当社はパッケージの本数や金額のシェアではなく、製品を活用してどれくらいの金額の税金を納めているかという“税金シェア”でナンバーワンを目指している。ただし、会計ソフトのベンダーだけでできることは限られているので、他の分野で強みを持つソリューションプロバイダと積極的に協業していきたい。最近ではフォーバル、フォーバルテレコムと業務提携した。M&A(企業の合併・買収)にも関心を持っている。

中井 奨=日経ソリューションビジネス

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