ノベルは4月14日、同社が提供するLinux OS「SUSE LINUX Enterprise Server 9」と、NetWareの資産を継承したファイルサーバーやプリントサーバーなど、企業の情報インフラに必要なソフトウエアを組み合わせたパッケージ製品「SUSE Open Enterprise Server(OES)」を発表した。5月24日から出荷する。

 これまでLinuxは、Webサーバーやアプリケーションサーバー、データベースサーバーなど、個別のサーバー用OSとして、ユーザー企業に浸透してきた。OESはこうした個別の用途に加え、企業の情報ネットワークインフラとして、Linuxの適用範囲を広げることを目指す戦略製品となる。過去にノベルが一世を風靡したNetWareや、現在の多数のシェアを持つWindowsサーバーと同じ位置付けで、Windowsに変わる情報インフラの選択肢として売り込む。

 OESは、ファイルサーバーやプリントサーバー、クラスタリング、ディレクトリによるユーザーアカウント管理などの機能をワンパッケージで提供する。一括インストールの機能やWebブラウザによる統合管理機能を備え、導入や管理がしやすいのが特徴。個々の機能は、従来のSUSE LINUXでも、オープンソースのソフトをバンドルして提供してきたものだが、OESではノベルの独自製品を組み合わせ、ノベルが一括してサポートすることで、ユーザーが企業内インフラとして導入しやすくする。価格はオープンプライスで、市場推定価格は1サーバー65万円。既存のWindows環境との共存や、Windowsに比べ安価な初期投資をアピールし、拡販を目指す。

 OESは、現在100社強あるSUSE Linuxの販売代理店を通じて販売する。今後は、パートナー向けのトレーニングを強化し、今年6月には、OESを対象とする認定資格制度も開始する計画で、OESを使ったソリューション販売に力を入れるパートナーの育成を急ぐ。ノベルは今年度、SUSE LinuxでLinux OS市場のシェア10%を獲得するとしてきた。OESの発売により、これに2%のシェア上乗せを目指すという。

森重 和春=日経ソリューションビジネス

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