キヤノンソフトウェアは2月1日から、基幹業務向けのWebアプリケーション開発支援ツール「Web Performer」を発売する。業務要件を定義するだけで、Javaのプログラムコードを100%自動生成する。

 Web Performerは、DOA(データ指向アプローチ)による設計手法を採用。業務ロジックを設計して業務要件と実装要件をリポジトリとして登録することで、Webアプリケーションを自動生成する。峯松憲二WP推進本部長は「ユーザー企業の情報システム部門は、短納期、高品質で柔軟性の高いシステムを、できれば社内のリソースを使って構築したいと考えている。Web Performerを使えば、一切プログラムを書く必要がなく、100%バグのないアプリケーションを開発できる。オフショア開発も不要になる」と話す。

 キヤノンソフトによれば、Web Performerを適用すれば、システム開発工程のうち、詳細設計およびプログラミングの工数を4分の1に、テスト工数を3分の1に削減できるとしている。今後は、業務設計ツールとの連携やテストの自動化、バッチ処理機能、帳票作成ツールとの連携といったオプション製品を追加することで、Web Performerの適用範囲の拡大や、開発効率の向上を進める計画。Web Performerの価格は、開発するアプリケーションの画面数に応じた従量課金制を採用。100画面までの開発は、導入基本料金が262万5000円、年間使用料金が157万5000円など。ユーザー企業に幅広く製品を評価してもらう狙いで、50画面までの開発には無償で提供する。

 キヤノンソフトは、同社の直販を中心に、2005年度に100社への販売を目指す。中堅、大企業ユーザー5500社のIT部門がターゲットで、そのうち10%のユーザー獲得を狙う。また、キヤノンソフトが手掛ける受託開発案件でも、Web Perfomerの適用を推進するほか、新たに販売代理店を開拓して間接販売にも注力する。

 加えて、システムインテグレータに対して顧客案件の開発ツールとして活用してもらうほか、業務設計ツールとの連携機能を強化して上流設計から開発までの自動化ツールとしてコンサルティング会社に売り込んでいく予定。こうした協業戦略により、2007年度には、累計300社、年間30億円の売り上げを目指す。

(森重 和春=日経ソリューションビジネス)