沖電気工業は、ユビキタス・ソリューションに活用できる小型センサーデバイスの制御技術を開発した。無造作に置かれた多数のセンサーデバイスが、動的にネットワークを構成して、自律的に情報を交わしたり、お互いの動作を制御できる(写真)。オフィスや物流現場、医療現場などにこのデバイスを多数置いて「ゼロ・コンフィギュレーション」で情報を収集したり機器を制御させるといった「ユビキタス・センサー」ソリューションへの適用を狙う。今後は、開発からアプリケーションの開拓まで、パートナーを募りながら実用化を目指す。

 今回の小型デバイスは実験用キットとして開発。無線通信には低消費電力が特徴の「ZigBee」(IEEE802.15.4)を採用した。デバイスをオフィスなどに無造作に置くと、お互いに通信して、情報伝達のタイミングなどを調整。事前の設定やセンター側による管理をせずに、各場所の情報を伝えたり自動で機器を制御する「センサー・ネットワーク」を構築する。「非線形振動子理論」を元にしたモデリングから開発したという。

 利用者はこのセンサー付きデバイスをオフィス内などにばらまくことで、現場の情報を自動で収集したり、状況に応じて空調や照明などの機器を自動調整させることなどが可能になる。オフィスのほか、デバイス次第で医療現場や流通現場、教育、交通機関などへの応用が見込める。

 沖電気では、実用化の第1段階として、まずは開発パートナーを募集している。パートナーにこのデバイスを実証実験などに活用してもらい、課題の洗い出しや今後の開発方針を探る狙いだ

玄 忠雄=日経ソリューションビジネス

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