日本IBMは、シスコシステムズとの提携に基づくセキュリティ製品を12月をメドに国内販売する。自社のセキュリティ対策ソフト「Tivoli Security Compliance Manager(TSCM)」に、シスコが開発したセキュリティ技術「Network Admission Control(NAC)」と連携する機能を加えたもので、セキュリティ対策業務の多くを自動化できる。

 製品の投入に合わせて、パートナー数の拡大も検討中だ。現在5社あるTSCMのパートナーに加え「120社以上あるネットワーク系のパートナーにも製品を供給することを検討する」(遠藤直之ネットワークサービス事業部ソリューション&サービス推進・主任ネットワーク・スペシャリスト)という。

 IBMは1999年からシスコは提携関係にある。その具体的成果として、日本では今秋から、シスコが用意した中小企業向けのIP電話システムのパックを、日本IBMがNotesなどの自社製品と組み合わせ、パートナーを通じて販売している。2社は、セキュリティ製品分野の協業を、IP電話に並ぶ提携戦略の柱と位置付けている。「TSCMは、大手企業向けソリューションで使われる製品だったが、今回の機能追加で中堅以下の企業にも適用範囲を広げやすくなった」(高橋徹ソフトウェア事業Tivoli事業部セールス・スペシャリスト)という。

 TSCMは、企業が設定したセキュリティポリシーに基づき、パソコンなどクライアントを管理する機能を提供する。シスコのNACに対応して実現した代表的な機能の1つが、クライアントがポリシーを守っているかなどの情報に基づいて、ネットワークへのアクセスも自動的に制御する機能だ。最近では、外出先で利用したノートパソコンや、無線LAN機能を搭載したPDA(携帯型情報機器)を企業ネットワークにつなぐケースが増えているが、そうしたことに伴うセキュリティ対策の手間を軽減できる。

玄 忠雄=日経ソリューションビジネス

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