PLM（製品ライフサイクルマネジメント）ツールの大手UGS PLMソリューションズは9月16日、3次元CAD/CAM/CAEの新製品「NX3」を発表した。10月から出荷を開始する。NX3は、同社のPLM製品「Teamcenter」との連携を強化。今後は、従来のCAD製品のユーザーに対してNX3への移行を促すとともに、TeamcenterとNX3を組み合わせ、企業全体で製品のライフサイクルを管理するPLMソリューションの販売を推進する。

　NX3は、従来製品の「Unigraphics NX」と「I-deas NX（旧ストラクチュラル・ダイナミクス・リサーチ製品）」を統合する最初の製品となる。ワークフローやモデリング、解析などの両製品の機能を統合したほか、同社のPLM製品であるTeamcenterが持つナレッジ管理など統合設計管理機能も一部組み込んだ。設計工程だけでなく、製品の企画から設計、製造に至るまで、製品開発に関わるすべての担当者が、単一の環境で同期された1つのデジタルモデルを共有できるようになる。

　国内では、電通国際情報サービスや伊藤忠テクノサイエンスなど、パートナー13社を通じて販売する。UGS PLMソリューションズは今年に入って、PLMCC（PLM Competency Center）と呼ぶ技術支援組織を設置するなど、PLMソリューションの拡販に向けた販売パートナーの支援を強化している。PLMCCでは、販売パートナーの案件ごとに、業種ノウハウの提供や技術支援、プロジェクトマネジメントなどの支援を提供している。

　米UGS PLMソリューションズのアジア太平洋担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのハンスカート・ルベルステッド氏は、「日本の製造業は、トヨタ自動車の“カイゼン”に代表されるように、製造の分野で世界のリーダーシップを取ってきた。現在、その成功をエンジニアリングや製品開発の分野にも拡大させようという企業が多く、PLMソリューションの需要は旺盛」と国内の販売に自信を見せる。NX3とTeamcenterの拡販を柱に、UGS PLMソリューションズはアジア太平洋地域で、2004年に2億ドル、2005年に2億4000万ドルの売り上げを目指す。

（森重 和春＝日経ソリューションビジネス）

「日経ソリューションビジネス」は、ITサービス企業の営業・マーケティング、マネジメント向けの雑誌です。
今なら「日経ソリューションビジネス」を無料で1冊試読いただけます。
詳しくはこちらからどうぞ。