大日本印刷(DNP)とオムロンは、RFID(無線ICタグ)を活用して契約書や顧客リストなどをリアルタイムに管理できる「重要文書管理システム」を共同で開発する。9月15日から予約の受け付けを開始し、年内にも出荷を開始する予定だ。

 重要文書管理システムは、社内の重要文書1点1点にラベル型のICタグを貼付すると同時に、文書を貸し出しを希望する職員に対しても職員用のICタグを発行。文書に貼付されたICタグと社員用のICタグをリーダーで読み取り、貸し出しの手続きが行われる。文書が無断で持ち出された場合には、ゲートシステムの警報機が作動する仕組みも備える。

 管理文書のマスター登録やICタグ発行などを管理する管理者用端末、文書の貸し出しと返却を受け付けるための端末、棚卸し用リーダー、不正持ち出し防止用のゲートシステム、監視カメラの一式で構成されており、価格は1000万円から。システム全体の企画や設計、販売をDNP、ハードの設計をオムロン、ソフト開発をオムロンソフトウェア(京都市、舘林浩社長)、保守をオムロンフィールドエンジニアリング(東京都渋谷区、小林正樹社長)が、それぞれ担当する。

 重要文書や顧客情報を大量に抱える金融機関や流通、製造業をターゲットに、発売開始後1年間で10億円の売り上げを目指す。

 RFIDを活用する文書管理システムでは、NECと日興通信(東京都世田谷区、鈴木範夫社長)も「書類収納管理システム」を共同開発しており、2005年4月に名古屋銀行で稼働する予定。文書管理の効率化や情報漏えい対策で、RFIDを活用するソリューションが、今後注目を集めそうだ。

中井 奨=日経ソリューションビジネス

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