NTT西日本は7月15日、大阪ガスから49拠点を結ぶIP電話システムの納入商談を受注したと発表した。導入台数は約1万2000台に及び、このうち約5000台はNTTドコモが開発した無線LAN機能を組み込んだ携帯電話機を採用して、オフィス内では無線LANを活用した「モバイルIP内線電話」が利用できるようにする。

 システムは2005年5月から順次導入し、2006年末の導入完了を目指す。大阪ガスは、PBX(構内交換機)を廃止できるほか、NTT西日本が提供する「法人向けIP電話サービス」を使うことで、拠点間の通話は基本料だけでかけ放題になり、外線発信も市内で3分6円など低料金で利用できる。NTT西日本によると、PBXなどの設備費用、通話料ともにコストを半減でき、年間約4億5000万円を削減できる見込みとしている。

 今回のIP電話システムでは、FAX内容や留守伝言を電子メールなどと連動させるユニファイドメッセージや、携帯電話機から社内の情報システムにアクセスできるモバイルゲートウエイシステムも導入する。コスト削減だけではなく、IP電話や携帯電話でオフィスワークの生産性向上を狙った大規模システム事例としても注目を集めそうだ。

玄 忠雄=日経ソリューションビジネス

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